長い伝統を誇る沖縄県宜野湾市大山区の大綱引きが3日、大山小学校のグラウンドで行われた。同区の綱は「カナキ」と呼ばれる先端部が円環状になっているのが特徴。
区民は「前村渠(めーんだかり)」と「後村渠(くしんだかり)」に分かれて競い、6尺棒でカナキを高く持ち上げ相手を打ち合う「アギエー(揚げ合い)」では後村渠が、その後の綱引きでは前村渠が勝利し、仲良く1勝1敗となった。(翁長良勝通信員)

大綱の先端をぶつけ合うアギエー。右の前村渠の綱の先端が先に地面に落ち、左の後村渠が勝利した=3日、宜野湾市立大山小学校(又吉朝香撮影)

 アギエーや綱引きの前に、旗頭で威勢を張り合う「ガーエー」や大山小音楽部の演奏、区女性会の踊りが披露された。旗頭は長さ6メートル、重さ30キロ。ガーエーでは、片手で空高く突き出す力持ち、中には顎に乗せて掲げ力を鼓舞するつわものもいた。
 アギエーの前にはそれぞれの綱頭がカナキに塩と酒を供え、安全祈願をした。
 アギエーでは、綱頭の合図でカナキを持ち上げ「ハルヨイッハーイヤ」と声を掛け合い、グラウンド中央に歩み寄った。小学生によるほら貝とドラ鐘が響くと、末吉孝行自治会長がピストルで勝負の合図。双方がコブラのように相手を激しく打ち合った。カナキが先に地面に着くと負け。約7分間の激しい打ち合いの末、後村渠が勝った。
 綱引きでは前村渠が勝利し、末吉会長は「集落の繁栄がますます期待できる」と喜んだ。
綱引きのため里帰りした人たちからは「久しぶりに故郷の綱引きを見て感動した。故郷はいつ来てもいい」と感想が聞かれた。
 大山小は、数年前から地域行事を知り郷土を愛する心を育もうと大綱引きの様子を描くポスターコンクールを実施。入賞者に末吉会長と比嘉秀次校長から賞状と記念品が贈られた。

アギエーの前に綱を泡盛と塩で清める区民(銘苅一哲撮影)
ほら貝でアギエーの雰囲気を盛り上げる子どもたち(銘苅一哲撮影)
ポスターコンテストに入賞した子どもたちと末吉孝行自治会長(後列左)ら(翁長良勝通信員撮影)

 
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大綱の先端をぶつけ合うアギエー。右の前村渠の綱の先端が先に地面に落ち、左の後村渠が勝利した=3日、宜野湾市立大山小学校(又吉朝香撮影)">
コブラのように激しい戦い 大綱を持ち上げてぶつけ合う伝統行事「アギエー」、勝敗は? 沖縄・宜野湾市【写真多数】
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