陸上自衛隊宮古島駐屯地司令で宮古警備隊長の比嘉隼人1佐が訓練を監視する市民を恫喝(どうかつ)した問題で、本紙は市民側が撮影した動画の元データで鮮明な音声を確認した。現場となった公共施設「いらぶ大橋海の駅」の駐車場について、比嘉隊長が「市民のものじゃない」と発言していたことが新たに分かった。
さらに、比嘉隊長は「(近隣に)ホテルあるだろ、ホテル!」「許可やってるのかどうか、まずそこを確認してるんだよ」などと乱暴な言葉遣いで市民に迫っていた。
比嘉隊長の恫喝について、駐屯地側は「大きな音声による抗議を中止してもらうためだった」として、「適切だった」と説明している。
しかし動画では、市民団体「ミサイル基地いらない宮古島住民連絡会」の清水早子共同代表が拡声器を使いながらも穏やかに呼びかけており、抗議はしていない。清水代表は昇ってきた朝日を「戦闘服姿でない私服で皆さんと一緒に見たい」と語りかけていた。(編集委員・阿部岳)
やりとりの全文は次の通り(一部怒声に遮られて不鮮明)。
清水早子共同代表
(拡声器で自衛隊員に呼びかける)
みなさん、おはようございます。
あの、素晴らしいご来光ですよね。
でも、私たちは残念です。
そういう戦闘服姿、迷彩服姿の向こうに、こんなきれいな朝日を見るのは、とても残念です。
そういうね、戦闘服姿でない、私服でみなさんと一緒にですね…
比嘉隼人隊長
(怒声を上げながら至近距離まで近づく)
清水代表
…見たいと思います。
比嘉隊長
許可を取ってるんですか、こっち。
われわれは許可取ってるんですよ。
許可取ってからやってください、許可取ってから。
やるんだったら!
ホテルあるだろ、ホテル!
清水代表
ライブで、ライブで放送してる、流れてますけれども。
比嘉隊長
ライブで流れてるじゃない、そもそも許可取ってるんですか。
清水代表
ここは市民の…
比嘉隊長
違う!
許可、われわれは取ってやってる。
あなた許可やってるんですか、って。
市民のものじゃない、許可やってるのかどうか、まずそこを確認してるんだよ。
清水代表
ここの許可は…
比嘉隊長
じゃあ許可取れ早く、取ってこい。
清水代表
どこから…
比嘉隊長
私は市から取ってます、全部。
清水代表
宮古島市ですね。
比嘉隊長
はい、早く行ってください。
行ってください。
まず行ってからやってください。
行ってからやってください。
早く。いいですか、いいですか、いいですか、分かりましたか。
清水代表
はい。
比嘉隊長
はい。