喘息(ぜんそく)がどんな病気がご存じですか。正式名称は気管支喘息と言い、気管支が何らかの原因で炎症を起こし、気道が狭くなってせきやたんなどの症状が現れます。
発作の原因で代表的なものは風邪や気管支炎などの呼吸器感染症ですが、そのほかにホコリや煙、ハウスダストなどの吸入、寒暖差などの気候変化も原因となります。たばこの煙も発作を引き起こします。喘息と診断された方で、たばこを吸っている方は今すぐやめましょう。受動喫煙も同様ですので、周囲に喘息の患者さんがいる方は十分な配慮が必要です。
治療はステロイドを含む吸入薬が基本となり、重症度に応じて気管支拡張薬も併用します。症状や合併症に応じた内服薬の使用もあり、小児や高齢者など吸入が難しい場合には貼り薬を使用することもあります。
適切な治療が行われると症状は日に日に良くなっていきますが、その際、自己判断で薬を中断してしまう方がいらっしゃいます。基本的に喘息は完治することはなく、体質として付き合っていく病気であるため薬の調整や休薬は主治医の先生としっかり相談して行ってください。
治療が不十分な状況で大きな発作を起こすと、時に命に関わる場合があることも覚えておいてください。吸入薬などで症状をコントロールできない重症喘息の方には、生物学的製剤と呼ばれる注射薬を使用することもあるため、心当たりのある方は呼吸器内科のある病院へ紹介してもらってください。
患者さんの中には自分が喘息だと思わず、市販のせき止めで様子を見ている方もいらっしゃいます。しかし一般的なせき止めは喘息に効果が乏しいため、せきが長引き、市販薬で症状が改善しない場合は、喘息の可能性を考えて一度かかりつけ医に相談してください。
(國吉健太、北部地区医師会病院呼吸器・感染症科=名護市)