「まさか本当にこの会場でやる日が来るなんて」。
 沖縄出身の唯一の女性落語家・金原亭杏寿(きんげんていあんじゅ)は、驚きと笑顔を隠さずにそう語った。
宜野湾市の沖縄コンベンションセンター劇場棟。約1700席という大舞台で、30日午後2時から、初の独演会に臨む。
 那覇市生まれの杏寿は、かつて「川満彩杏」の名前で県内を中心にタレントや俳優として活動していた。2017年、落語家・金原亭世之介師匠に弟子入りし、23年からは二ツ目として修行を続けている。「男性が多い落語界で、どう個性を出すかはいつも考えている。古典の魅力を大切にしながら、自分らしさも表現したい」と話す。
 演目は古典落語を中心に3席。そのうち1席は沖縄の言葉や風習を盛り込み、地元の観客にもなじみやすい内容にする予定だ。さらに人情噺(ばなし)にも挑戦する。
 ゲストは紙切りの林家二楽と漫才コンビのハンジロウ。前座は読谷村出身の三遊亭歌(か)ん太が務める。
 会場では沖縄企業とコラボしたオリジナルグッズも販売する予定だ。
「落語は、生で聴くのが一番面白い。会場で一緒に笑って、その思い出を持ち帰ってほしい」と呼びかけた。
 入場料は前売り一般3千円、小中高生千円。問い合わせは沖縄コンベンションセンター098(898)3000。(社会部・真栄里泰球)
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