【黒島=竹富】豊作への感謝と五穀豊穣(ほうじょう)を祈願する黒島の豊年祭が2日、宮里海岸で開かれた。「パーレー競漕(きょうそう)」や奉納行事が次々に披露され、島内外の人でにぎわった。
この日は好天に恵まれ、海岸には青い海と空が広がった。黒島の豊年祭は、琉球王府時代に作付面積を競う原勝負(バルスーブ)で決着せず、綱引きでも引き分けたことからパーレーで勝敗を決めると大豊作につながったことが始まりとされる。以来、パーレーを中心に実施している。
 パーレー競漕は、浜で長老から杯を受けた各村の走者「ウーニ」が舟に走って飛び乗ってスタートした後、沖に浮かべた「フキ」を取って浜に戻る。
 宮里村と仲本村の競漕では、宮里村のウーニ、仲嵩善希さん(22)が素早く舟に乗り込んでリードしたまま勝利した。
 仲嵩さんは高校1年からウーニ役を務め、これまで7度参加している。今回で5度目の勝利を飾り、「伝統行事に参加できてうれしい。先輩に教わりながら勝利に向けて準備してきた」と喜んだ。
 初めて豊年祭に訪れた福田陽子さん(52)は「若者が海に向かって駆け出す様子に感動した。衣装も素晴らしい」と笑顔で語った。(奥沢秀一通信員)
 
豊作願いパーレー競漕 走者「ウーニ」が浜を全力疾走 島内外の...の画像はこちら >>
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