沖縄の日本復帰10年を記念して那覇市牧志の「国際ショッピングセンター」に設置されていたポストが、7月末から同市壺川の沖縄郵政資料センターに展示されている。ポスト上部にシーサーが鎮座し、県民や観光客から愛されたが、約6年前から倉庫に眠ったままだった。
元郵便局員、金城功さんの尽力で人前に姿を現すことになった。(社会部・滝口信之)
 ポストは高さ160センチで白色。シーサー作りの第一人者、故島常賀さんが制作した高さ約50センチのシーサーが上に乗り、「1982年 沖縄復帰10年記念」と記されている。
 かつて毎年1回、那覇市内のポストを子どもたちが清掃するイベントがあり、ゴールがこの記念ポストだった。広報担当だった金城さんは子どもたちと歩いた。国際通り沿いにあったシーサーポストは「県民だけでなく観光客からも愛された」と振り返る。
 ポストは、2000年にショッピングセンターが閉店する際に撤去。10年に那覇空港内の郵便局に移設されたが、19年に郵便局が一時閉鎖になった際に姿を消した。
 金城さんは46年間務めた郵便局を退職後、22年に沖縄郵政資料センター長に就いた。翌年、センターが入る那覇中央郵便局の倉庫を歩いていたところ、「どこに行ったのかずっと気になっていた」ポストを偶然発見した。
 活用予定がないと知り「県民を長年見守ってきたポスト。どうにか再び多くの人の目に触れてもらえないか」と考えた。
管理していた日本郵便沖縄支社に掛け合い、譲渡してもらって同センターでの展示にこぎ着けた。
 かつて「シーサーに触れて郵便物を投函(とうかん)すると願いが成就する」と言われていたという。金城さんは「シーサーに触ったら福が来るかも。地域の皆さんに末永くかわいがっていただけたら」と笑顔を見せた。
 同センターは平日開館。問い合わせは同センター、電話098(854)0255。
福を呼ぶ「シーサポスト」再び 沖縄県民に愛された国際通りの名...の画像はこちら >>
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