ポストは高さ160センチで白色。シーサー作りの第一人者、故島常賀さんが制作した高さ約50センチのシーサーが上に乗り、「1982年 沖縄復帰10年記念」と記されている。
かつて毎年1回、那覇市内のポストを子どもたちが清掃するイベントがあり、ゴールがこの記念ポストだった。広報担当だった金城さんは子どもたちと歩いた。国際通り沿いにあったシーサーポストは「県民だけでなく観光客からも愛された」と振り返る。
ポストは、2000年にショッピングセンターが閉店する際に撤去。10年に那覇空港内の郵便局に移設されたが、19年に郵便局が一時閉鎖になった際に姿を消した。
金城さんは46年間務めた郵便局を退職後、22年に沖縄郵政資料センター長に就いた。翌年、センターが入る那覇中央郵便局の倉庫を歩いていたところ、「どこに行ったのかずっと気になっていた」ポストを偶然発見した。
活用予定がないと知り「県民を長年見守ってきたポスト。どうにか再び多くの人の目に触れてもらえないか」と考えた。
かつて「シーサーに触れて郵便物を投函(とうかん)すると願いが成就する」と言われていたという。金城さんは「シーサーに触ったら福が来るかも。地域の皆さんに末永くかわいがっていただけたら」と笑顔を見せた。
同センターは平日開館。問い合わせは同センター、電話098(854)0255。