何とも優しくて温かいストーリー。
 エリオ少年の、地球には居場所がないから僕を宇宙へ連れて行ってと願う夢想は、ここではないどこかに自分の本当の居場所があるかもと空想した数多(あまた)の人たちを代表する。

 かくいう私は、家族の誰とも似ていないからもらわれてきた子なんだと訴えたら、貧しいわが家に10番目の養子は無理と言われ撃沈。
 エリオの空想は現実となって、すてきな宇宙人たちと友達になるのだけれど、自分を本当に愛してくれている人に気付くのに時間はかからない。子どもたちの寂しさや素直になれない感情が丁寧に描かれていて、はるか昔の出来事を思い出しては一人鼻をすする。
 家族で同じ映画を見る楽しみは、同じシーンを見ながらも、それぞれが意図しない感想を吐露する瞬間に立ち会えることかな。(スターシアターズ・榮慶子)
◇ライカム、ミハマ、サザンで上映中
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