防衛局は事故後、土砂を搬出する安和桟橋と隣接する本部港塩川地区で作業を停止したが、県が求めた原因究明や再発防止策の協議が実現しないまま停止から54日で作業を再開した。
再開にあたっては警備員の追加配置や車両出入り口へのサイレン付きランプの設置など「最大限の対策をとった」と説明。逆に、出入り口に面する道路を管理する県に対し、歩道へのガードレールの設置を求め、市民による抗議を「トラック進行を妨げる妨害行為」として行政指導することも要請していた。
県は道路法に基づき歩行者の通行を妨げるガードレールの設置は困難とし、代わりにポールを取り付け。行政指導についても、抗議する市民が歩道を利用する「歩行者」として見なせるため難色を示している。
運搬再開から1年が経過しても安全対策は双方で折り合いが付かず、県警の小堀龍一郎本部長は県議会6月定例会で「事故後も危険な抗議活動が行われている」との見解を示した。
一方、昨年11月には防衛局から土砂運搬の委託を受ける民間事業者が、塩川港の出入り口に面する道路の地下にベルトコンベヤーを設置するための道路占用許可を県に申請。ダンプでの運搬を減らしてベルトコンベヤーを使用することで、作業を加速させる狙いがある。県は現在、道路占用に公共性があるかを慎重に審査している。
玉城デニー知事は21日の定例記者会見で「(市民と業者)双方にとって事故を招くような状況にならないよう、県として安全管理に努めていきたい」と発言。再発防止に向け県、防衛局が議論を重ねられるかが問われている。
