プールの水難事故を検出し、救助につなげる人工知能(AI)技術が1日から、沖縄県恩納村の沖縄かりゆしリゾートEXES恩納で導入されている。技術は、台湾の企業が開発したシステム「SAFE SWIM」。
県内のホテルでプールの監視業務を担い、技術販売も手がけるBLUE POWER(神奈川県)の西尾直樹社長は「事故が起きた場合でも、素早く救出し対応するのが重要だ」と呼びかける。(北部報道部・比嘉海人)
 SAFE SWIMは、プールに設置した防犯カメラを通してAIが溺れている可能性がある人を検知し、「注意」と「危険」の2段階でアラートを出す。専用のURLから閲覧できるプールのマップ上で位置とアラートの段階を示し、現場に設置した警告灯が点灯と音で監視員に知らせる。管理者には、LINE上で通知もする。
 同システムの導入で監視員の死角をなくせるため、少人数での監視も可能となるという。EXES恩納では、インドアプールで3月から試験的に導入してきた。宿泊統括支配人の豊島千登世さんは「監視員をずっと配置しておくほどの人材確保が難しくなっているが、事故が起きた時の責任を考えると閑散期でも配置しないわけにはいかない」と語り、人的コストを削減できるメリットを挙げた。
 西尾社長は「監視をAIに任せることで、監視員は救助により注力できるようになる」と期待した。
 SAFE SWIMに関する問い合わせは同社、0466(30)2111。
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溺れる人をAIが見つけて警告 プールの水難事故防ぐ 沖縄・恩納村のリゾートホテルで導入
水難事故をいち早く検知するAI技術をアピールするBLUE POWERの西尾直樹社長(左)と、開発した台湾企業のシェンジェイ・リンさん=4日、恩納村の沖縄かりゆしリゾートEXES恩納
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