小倉さんが沖尚の勝因に挙げたのが、先発した新垣有絃投手だ。初回に先制を許すも、四回の一死満塁のピンチを無失点でしのぎ、五、六、七回はいずれも三者凡退に抑えた。小倉さんは「変化球も直球もコースにしっかりと投げ分け、日大三の打線にスイングをさせていなかった」と称賛した。
打線については「先制を許した直後の二回に追いついたのが大きかった」と分析。 3得点はいずれも二死からの適時打で挙げたことに触れ、「甘い球を逃さずしっかり振っていた。打った打者が素晴らしかった」と話した。
今大会の沖尚の戦いを振り返り、「比嘉(公也)監督は当たっていない選手の打順を変えるなど悩んでいたと思う」と話す。「不調の選手にエンドランをかけて積極的にバットを振らせていた。それに選手もしっかりと応えていた」とたたえた。
決勝戦を振り返り、小倉さんは「沖尚も日大三も決して前評判が高いチームではなかった。その両チームが決勝で素晴らしい野球をしてくれた。
沖尚のエース末吉良丞投手は小倉さんが率いるU18(18歳以下)日本代表に選出され、9月に沖縄県で開催される野球のU18ワールドカップに挑む。小倉さんは「彼の素晴らしさは制球力。特に打者の内角に投げ込む直球は素晴らしい」と評し、「ぜひチームに力を貸してほしい。持っている力を最大限発揮してもらえたら」とエールを送った。(社会部・滝口信之)