[ワールド通信員ネット]@ブラジル
 沖縄県出身の音楽デュオ「Kiroro」のボーカル、玉城千春さんが16日、ブラジル・サンパウロ市のクラブ・シルクロ・ミリタールで、自身初となる同国でのソロ公演を開いた。力強く伸びやかな歌声で、ブラジル各地から集まった約千人を魅了。
観客と共に日本語の歌詞で大合唱する場面もあり、国境を越える音楽の力で会場を一つにした。(事業局・知花徳和)

公演後、観客や出演者と記念撮影に納まるKiroroの玉城千春さん(手前左)=16日、ブラジル・サンパウロ市(Daniel Yonamineさん提供)

 電子ピアノの旋律が穏やかに響き、満席の会場を最初に包んだ歌声はKiroroのデビュー曲。「『長い間』、待たせてごめんねー」。曲名とMCを重ね、観客の笑いを誘った。続けて「僕らのメッセージ」「紅芋娘」を歌い、「ブラジルで皆さんと一緒に歌えてとてもうれしい」と気持ちを伝えた。
 2018年にKiroroの結成20周年を終え「これからどんな風に歌を作っていけばよいか」との思いに駆られたという玉城さんは、「子どもたちに何かできることはないか」と考え、沖縄の児童生徒らとの曲作りに取り組んだ。
 公演では、母校・読谷中に立つ桜の木を題材に制作した「命の樹」や、沖縄アミークスインターナショナル中の生徒と平和の大切さを紡いだ「Hope Dream Future」も披露。サンパウロ生まれでパーカッションの南條レオさん、キーボードの川口大輔さん、ギターの金川哲也さんと一緒に、アンコールを含む16曲を熱唱した。

伸びやかで力強い歌を届ける玉城千春さん(Daniel Yonamineさん提供)

 サンパウロには約15万人の県系移民が暮らしているとされ、音楽や伝統芸能を通じた沖縄との交流も活発だ。ライブ前には、読谷村人会や県人会、現地の子どもたちとも触れ合い「たくさんの笑顔に出会い、歌う前から感動をもらった」と玉城さん。公演後には「ウチナーンチュとしての誇りを胸に、これからもつながりを深め、ブラジルへ歌を届けに行けたらいいな」と期待を込めた。
 玉城さんは9月6日に中国・上海公演、11月8日にはシンガポール公演を予定している。
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