2024年秋、沖縄本島南部の20代女性が病院に搬送された。商業施設の駐車場で「笑気麻酔」を吸引した。
だんだん体の自由が効かなくなり、倒れて地面に頭を強打した。救急車で搬送中、頭がひどく痛み、意識がもうろうとした。以前も吸ったことがあったが、この時を契機に痛感した。「やっぱり危険な物だったんだ」

取材に応じ「誰が死んでもおかしくはない」と話す女性=7月、沖縄本島南部

 沖縄県内の10~20代を中心に乱用されている俗称「笑気麻酔」。国内未承認の医薬品成分エトミデートを含む危険ドラッグで、今年5月16日付で指定薬物となった。海外では「ゾンビたばこ」と呼ばれ、乱用が問題になっている。吸引するとどんな症状が出て危険なのか。沖縄でなぜ広がったのか。現状を追った。(社会部・平良孝陽、豊島鉄博)
 女性によると、県内で笑気麻酔が流行し始めたのは昨秋ごろから。ナイトクラブやキャバクラの個室などで使用する姿がよく見られた。当時は規制されておらず、女性も興味本位で「いっかち(一口)ちょうだい」と知人にねだった。

 専用のカートリッジに詰めたリキッドを加熱して蒸気を吸う電子たばこ「ベイプ」と同じ形状で、果物などのフレーバーもある。見た目からは怪しまれることはない。

エトミデートが含まれるリキッド(県警提供)

 主な症状では、吸い始めると意識が飛んで体が浮いた心地になる。しばらくすると手足がガクガクと震える。頭の中で言葉を浮かべても、うまく発することができず、情緒も不安定になるという。
 やがて効果が切れて、しらふになる。副作用なのか頭が重くなったり、気分が悪くなったりし、紛らわせようと吸い続けてしまう。過剰摂取(オーバードーズ)により、はた目から見ても言動がおかしい状態になる。「殺虫剤で死にそうになった虫みたい」。女性はそう形容した。

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“ゾンビたばこ”で「死にそう」に… 吸引女性が語る恐怖体験 沖縄で広がる危険ドラッグ
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