【糸満】糸満市大里の惣慶長喜さん(70)は、同市立高嶺中学校時代に童謡を教わった元音楽教諭で恩納村出身の津嘉山直子さん=横浜市=と50年以上交流を続けている。惣慶さんは「童謡を通して親兄弟や故郷の大切さを学んだ」と振り返る。
津嘉山さんは、惣慶さんとのつながりを通じて歌う楽しさを再認識し、横浜の合唱サークルで活動を続けている。(南部報道部・国吉聡志)
 惣慶さんは高嶺中で「てぃんさぐぬ花」「故郷(ふるさと)」「赤とんぼ」などの童謡を習った。同校の教員だった津嘉山さんは28歳で結婚。横浜へ移住し、同校が最後の赴任地となった。
 沖縄を離れた津嘉山さんだったが、民謡をたしなむ惣慶さんとの連絡は取り続けた。惣慶さんは23歳で土木建設業の会社を立ち上げる一方、神里茂夫民謡研究所に通い、30代後半でCDを出し、高齢者施設を訪問して民謡コンサートを開くなど活動を続けている。
 15年前には、恩納村で開かれた津嘉山さんの母(故人)のカジマヤーで惣慶さんが民謡を披露した。歌詞の一部は、2人で協力して作り上げた。
 津嘉山さんは、惣慶さんらの呼びかけで2000年ごろにあった高嶺小中学校出身者の同窓会に呼ばれ、かつての教え子と数十年ぶりに再会した。「短い教員人生だったが、慕ってくれる人がいるなんて本当に幸せ」と振り返った。
 精力的に歌い続ける惣慶さんに刺激を受け、津嘉山さんも5年前から横浜市内の合唱サークルで本格的に練習を積んでいる。「教え子とのつながりを通じて歌う楽しさを学べた。
出会いに感謝し、これからも音楽活動を続けたい」と語った。
 惣慶さんは「今振り返ると、中学時代に学んだ童謡を通じて、人の情けや親子の愛情を歌う民謡の奥深さを学べた。これからも互いに歌う楽しさを学び合っていきたい」と語った。
教え子と元教諭、童謡通し交流50年 高嶺中学校での出会いに感...の画像はこちら >>
教え子と元教諭、童謡通し交流50年 高嶺中学校での出会いに感謝「歌う楽しさ学び合いたい」 沖縄・糸満市
津嘉山直子さんの母のカジマヤーで披露した民謡を歌う、惣慶長喜さん。今でも民謡をたしなみ、高齢者施設でのボランティア公演などを続けている=7月11日、那覇市内
編集部おすすめ