「風のマジム」は原田マハの同名小説を映画化。契約社員でありながら社内のベンチャーコンクールを活用してプロジェクトを立ち上げ、社長となった女性の実話が描かれている。
主人公の伊波まじむを演じた伊藤は「真心を込めて作った大切な作品を、やっと皆さんにお届けできて、でーじうれしく思っています」とあいさつ。客席からは指笛が響いた。
うちなーぐちでの演技は「音の取り方が難しくて苦労しました。1音違うだけで広島弁や京都弁のように聞こえてしまい、迷子になったことも。今科子さんの指導で、だいぶ良い感じに仕上がったと思います」と振り返った。
また、豆腐屋を営む伊波家のシーンは実在する豆腐店を借りて撮影。芳賀監督は「昔ながらの家族経営の店が少なく、交渉を重ねてようやく協力いただけた。本当に撮りたいと思っていた場所で撮影でき、そこに生きる家族の姿を自然に描けた」と語った。
デビュー作「カフーを待ちわびて」など、沖縄をモチーフにした作品を手がけてきた原田は「小説を書いた時から、映画という形でお返しできたらと思っていた。特に沖縄の方々に向けて大きなギフトになったのではないか」と映画化を喜んだ。
伊藤は「多くの方に愛されている作品の映画化なので、まじむのまっすぐな思いや、さまざまな人との出会い、支えの中での成長を描いています。強いメッセージというより、皆さまの心にふっと届けばうれしい」と作品をPRした。
