OISTのエヴァン・エコノモ教授を中心とした17人の研究チームで取り組んだ。2004年からフィジー諸島全域のアリのサンプルを採集し、15年からゲノム解析に取り組んだところ、外来のアリが到達、定着した事例を65件確認した。
フィジーのみに生息する固有種の79%が減少傾向で、近年、貿易の貨物に紛れ込むなど人為的に持ち込まれた外来種は爆発的に増加。固有種の減少が顕著なのは島の植民地化、世界貿易、近代農業技術の導入といった数百年間に集中しているという。
OISTのツォン・リウ博士は「島は閉鎖的で孤立した生態系であるため、人為的な影響を早く受けやすい」と話している。
OISTでは、沖縄でも将来解析できるよう、虫のこうしたデータを収集している。エコノモ教授は「昆虫は環境にとって不可欠な存在で、私たちはその保護に貢献するためにデータを分析する責任がある」と話している。(社会部・塩入雄一郎)