【浦添】養蜂を通して幅広い世代の交流や社会参加の促進を目指す取り組みが浦添市で広がっている。2021年に勢理客公民館で始まり、昨年6月には城間で「ティーBEE(ビー)ハニー」(山内圭介代表)が養蜂活動を始めた。
今年8月19日には城間公民館で「親子さいみつ体験」があり、子どもから高齢者まで約50人が参加。地域が育んだ甘い蜜の香りと味を楽しむ笑顔が広がった。(浦添西原担当・新垣玲央)
 取り組みは、市社会福祉協議会のコミュニティーソーシャルワーカー(CSW)がひきこもり当事者から「蜂蜜を作ってみたい」と相談を受けたのがきっかけ。勢理客で当事者や学生、社協職員、自治会役員らが一緒になって若者支援サークル「Bee free(ビーフリー)」を立ち上げスタートした。
 城間でも、公民館に巣箱を設置することで若者の社会参加の場や居場所、幅広い世代が支え合いながら活躍できる地域を目指そうと昨年から活動を開始。勢理客からミツバチを分けてもらい、現在は約1万5千匹の養蜂に取り組んでいる。
 3回目を迎えた「さいみつ体験」では、子どもも大人も、巣枠にびっしり付いたミツバチに「すごい」「女王蜂はどれ?」と興味津々。遠心分離機で取り出した蜜に舌鼓を打った。採蜜を体験した港川小学校1年の糸村えなさん(6)は「楽しかったし、甘くておしいかった」と笑顔を見せた。
 アドバイザーで新垣養蜂園の新垣伝副代表は、ミツバチが半径約2キロ範囲を飛んで蜜を集めるため「地域の味」があると説明。「自治会で味が違うし、自分の街はこんな味なんだって分かる。視点を変えて地域の自然が見える」と話した。

 城間自治会の宮城直会長は「こうして地域の子どもや高齢者が公民館に足を運んでくれるのがうれしい」と笑顔。山内代表は「みんなで楽しみながら地域でつながる場。他の自治会にも取り組みが広がって浦添全体でできれば」と望んだ。
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蜜の香りで広がる地域の輪 ミツバチが育む街の風味で舌鼓 沖縄・浦添市で子どもら採蜜体験
巣箱から取り出されたミツバチを見つめる参加者
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