戦後の米国統治下の沖縄を描いた、妻夫木聡さん主演の映画「宝島」(大友啓史監督)が、19日から全国公開される。原作は直木賞、山田風太郎賞、沖縄書店大賞などを受賞した真藤順丈さんの同名小説。
16日に沖縄タイムス社を訪れた真藤さんは「沖縄を知る入り口が映画によってより広く届くといい」と期待した。

インタビューに答える真藤順丈さん=16日、那覇市・沖縄タイムス社(金城拓撮影)

 映画は「戦果アギヤー」と呼ばれた、米軍から奪った物資を住民に分け与える若者たちの軌跡を描く。消息を絶った英雄的なリーダーの行方は…。そして、米国に支配され、本土からも見放された過酷な環境の中で積み重なる、やり場のない怒りはどうなるのか…。

映画「宝島」で主人公・グスクを演じる妻夫木聡さん(c)真藤順丈/講談社 (c)2025「宝島」製作委員会

 真藤さんは映画化の依頼が来たとき、「できるかな」と思ったという。「大きな作品になるほどビジネスの面もあるので、原作のマインドが希釈されると困ると思った。しかし、スタッフもキャストも全員が小説の根幹を大事にしようとしているのが伝わってきて、うれしかった」と信頼を語る。撮影を見学に行った際には、セットの素晴らしさに感動し「エキストラの群衆にこっそり加わりたくなった」と振り返った。
 真藤さんは「1952年のサンフランシスコ講和条約から、72年の日本復帰までの戦後の日本を考える上で重要な歴史を沖縄の視点から語り直してみようと『宝島』を書いた。沖縄を知る入り口が映画によってより広く届くといい」と語った。(社会部・真栄里泰球)
「沖縄を知る入り口に」 映画「宝島」あす9月19日全国公開 ...の画像はこちら >>
インタビューに答える真藤順丈さん=16日、那覇市・沖縄タイムス社(金城拓撮影)">
「沖縄を知る入り口に」 映画「宝島」あす9月19日全国公開 原作の真藤順丈さんにインタビュー
映画「宝島」で主人公・グスクを演じる妻夫木聡さん(c)真藤順丈/講談社 (c)2025「宝島」製作委員会">
編集部おすすめ
沖縄タイムスプラスの記事をもっと見る

トピックス

今日の主要ニュース 国内の主要ニュース 海外の主要ニュース 芸能の主要ニュース スポーツの主要ニュース トレンドの主要ニュース おもしろの主要ニュース コラムの主要ニュース 特集・インタビューの主要ニュース