「自分の住んでいるエリアはどれくらい上がった?」と確認した人も多かったのではないでしょうか。
今週、最新の基準地価(7月1日時点)が発表され、沖縄の住宅地価上昇率は10年連続で全国トップに。
さて、今週のイチオシニュースは、近年、住宅地価上昇率の上位常連である恩納村に関する話題です。恩納村の住宅地価上昇率は、コロナ禍(2020年~2022年)には1~4%台で推移していましたが、2023年には12.4%、2024年には13.2%、2025年には10.7%と急上昇。3年連続で上昇率の県内ベスト3に入りました。
たった2年で50%超の急上昇
村内で特に急激に上昇しているのは「恩納村真栄田真栄田原36番外」の基準地です。上昇率は2023年に28.9%、2024年に29.0%、2025年に18.7%と、たった2年間で約53%も上昇しています。1平方メートル当たりの価格は2万4500円から3万7500円と、1万円以上の伸びを見せました。
真栄田区の公民館前。旧来からの住宅地が広がる=2023年、恩納村真栄田
真栄田原は「青の洞窟」で知られる国内随一のダイビングスポット・真栄田岬に近く、サトウキビ畑の合間にのぞく青い海といった「ザ・沖縄」な風景が観光客に人気です。旧来からの静かな住宅地で、県外からの移住や観光需要が住宅地価を押し上げているといいます。
多くの観光客でにぎわう真栄田岬。近年はオーバーツーリズムも課題に=2023年撮影
観光地としてだけでなく、住む場所としても県外から人気の恩納村。
観光の光が強くなるほど…
アンケートには、村内で日用品が調達できず村指定ごみ袋を買うにも苦労するとして「住む環境としては厳しいことが多いので、用意ができれば転居したいのが本意」との記述も。村を「住み良い」と感じている住民は2020年の67.1%に比べて今回は63.5%にやや減ったそうです。オーバーツーリズムに対する苦情や懸念の記述も少なくありませんでした。
エキスパートEyeコメンテーターの大城勝太さんはこうコメントを寄せています。
ジャングリア沖縄の開業が話題をさらうなか、恩納村のもうひとつの顔──県内屈指のリゾートホテルが並ぶこの地に根づく、暮らしの静かな課題が、少し影に隠れてはいないだろうか。(略)観光の光が強くなるほど、暮らしの影は濃くなることがある。 村の声に耳を澄ませるとき、私は「買い物」という日常の中に、地域の希望と葛藤を見たような気がする。(全文を読む)
地価高騰に、スーパー誘致の是非。今週、ほぼ同じ時期に配信された恩納村に関する話題は、いずれも村の将来像を大きく変えうるもののように感じられました。今後も注目したいと思います。
「沖縄ブーム」華やかさの裏に
今となっては、県内外の多くの人々を魅了してやまない沖縄の伝統文化エイサー。しかし、かつては演舞することで「ハジチラー(恥さらし)」と石を投げられた時代があったことを、どれほどの人が知っているでしょうか。
新里健記者の連載「差別と闘うエイサー がじまるの会50年」は、50年前の県出身の青年労働者たちが、沖縄差別に負けず、生まれ島への誇りを取り戻すため大阪市大正区で始めた「エイサー祭り」の原点について取材しています。
大阪市大正区で初めて開かれたエイサー祭り。当時は「沖縄青年の祭り」と呼ばれていた。出演は「がじまるの会」だけ。観客数は現在の100分の1だった=1975年9月14日、同区の千島グラウンド(関西沖縄文庫所蔵)
エキスパートEyeコメンテーターの玉城直美さんが記事への感想を寄せています。
多くの人に読んでいただきたい記事だと思いました。 厳しい労働環境のなか、生きる希望を失った青年の自死をきっかけに県系人が集い、そこでエイサーをはじめとする琉球芸能や「沖縄らしさ」を表現することすらためらわれるほどの差別の歴史があったことを知り、大きな驚きを覚えました。(略)今の「沖縄ブーム」の華やかさの裏には、こうした苦難の歴史があることを、私たちは決して忘れてはなりません。その重みと先人たちの想いをしっかりと受け継ぎ、次の世代へ伝えていきたいと強く思います。(全文を読む)
紙面にも連載は掲載されていますが、写真特集のあるデジタル版で読むのがおすすめです。
週末は「沖縄かなさ花火」などイベント盛りだくさんですが、トリプル台風の進路が心配ですね。崎濱綾子さんの「うちなあ季節めぐり」で詳しくチェックを!今週のデジ編チョイスは篠原知恵が担当しました。
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今週、最新の基準地価(7月1日時点)が発表され、沖縄の住宅地価上昇率は10年連続で全国トップに。
県内では転売目的の不動産投機の動きはまだ活発ではないという見方が多いですが、住んでいる立場からすると、家賃や固定資産税の上昇につながり、地価高騰に喜んでばかりはいられません。(全284地点の地価一覧)
さて、今週のイチオシニュースは、近年、住宅地価上昇率の上位常連である恩納村に関する話題です。恩納村の住宅地価上昇率は、コロナ禍(2020年~2022年)には1~4%台で推移していましたが、2023年には12.4%、2024年には13.2%、2025年には10.7%と急上昇。3年連続で上昇率の県内ベスト3に入りました。
たった2年で50%超の急上昇
村内で特に急激に上昇しているのは「恩納村真栄田真栄田原36番外」の基準地です。上昇率は2023年に28.9%、2024年に29.0%、2025年に18.7%と、たった2年間で約53%も上昇しています。1平方メートル当たりの価格は2万4500円から3万7500円と、1万円以上の伸びを見せました。
真栄田区の公民館前。旧来からの住宅地が広がる=2023年、恩納村真栄田
真栄田原は「青の洞窟」で知られる国内随一のダイビングスポット・真栄田岬に近く、サトウキビ畑の合間にのぞく青い海といった「ザ・沖縄」な風景が観光客に人気です。旧来からの静かな住宅地で、県外からの移住や観光需要が住宅地価を押し上げているといいます。
多くの観光客でにぎわう真栄田岬。近年はオーバーツーリズムも課題に=2023年撮影
観光地としてだけでなく、住む場所としても県外から人気の恩納村。
しかし実は、スーパーは一軒もなく、実際に住んでいる村民のアンケートでは、回答者の8割近くが日常生活の買い物に不便を感じているとの結果が出ました。紹介する記事は、村のアンケート結果に独自取材を加え、スーパー誘致論と慎重論に揺れる村の「今」を追った比嘉海人記者の力作です。
観光の光が強くなるほど…
アンケートには、村内で日用品が調達できず村指定ごみ袋を買うにも苦労するとして「住む環境としては厳しいことが多いので、用意ができれば転居したいのが本意」との記述も。村を「住み良い」と感じている住民は2020年の67.1%に比べて今回は63.5%にやや減ったそうです。オーバーツーリズムに対する苦情や懸念の記述も少なくありませんでした。
エキスパートEyeコメンテーターの大城勝太さんはこうコメントを寄せています。
ジャングリア沖縄の開業が話題をさらうなか、恩納村のもうひとつの顔──県内屈指のリゾートホテルが並ぶこの地に根づく、暮らしの静かな課題が、少し影に隠れてはいないだろうか。(略)観光の光が強くなるほど、暮らしの影は濃くなることがある。 村の声に耳を澄ませるとき、私は「買い物」という日常の中に、地域の希望と葛藤を見たような気がする。(全文を読む)
地価高騰に、スーパー誘致の是非。今週、ほぼ同じ時期に配信された恩納村に関する話題は、いずれも村の将来像を大きく変えうるもののように感じられました。今後も注目したいと思います。
「沖縄ブーム」華やかさの裏に
今となっては、県内外の多くの人々を魅了してやまない沖縄の伝統文化エイサー。しかし、かつては演舞することで「ハジチラー(恥さらし)」と石を投げられた時代があったことを、どれほどの人が知っているでしょうか。
新里健記者の連載「差別と闘うエイサー がじまるの会50年」は、50年前の県出身の青年労働者たちが、沖縄差別に負けず、生まれ島への誇りを取り戻すため大阪市大正区で始めた「エイサー祭り」の原点について取材しています。
大阪市大正区で初めて開かれたエイサー祭り。当時は「沖縄青年の祭り」と呼ばれていた。出演は「がじまるの会」だけ。観客数は現在の100分の1だった=1975年9月14日、同区の千島グラウンド(関西沖縄文庫所蔵)
エキスパートEyeコメンテーターの玉城直美さんが記事への感想を寄せています。
多くの人に読んでいただきたい記事だと思いました。 厳しい労働環境のなか、生きる希望を失った青年の自死をきっかけに県系人が集い、そこでエイサーをはじめとする琉球芸能や「沖縄らしさ」を表現することすらためらわれるほどの差別の歴史があったことを知り、大きな驚きを覚えました。(略)今の「沖縄ブーム」の華やかさの裏には、こうした苦難の歴史があることを、私たちは決して忘れてはなりません。その重みと先人たちの想いをしっかりと受け継ぎ、次の世代へ伝えていきたいと強く思います。(全文を読む)
紙面にも連載は掲載されていますが、写真特集のあるデジタル版で読むのがおすすめです。
週末は「沖縄かなさ花火」などイベント盛りだくさんですが、トリプル台風の進路が心配ですね。崎濱綾子さんの「うちなあ季節めぐり」で詳しくチェックを!今週のデジ編チョイスは篠原知恵が担当しました。



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更新:2024-09-10 14:44
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