沖縄市内の宿泊施設駐車場で車の窓ガラスを割ったとして、県警が米兵1人を器物損壊の疑いで書類送検していたことが3日、分かった。9月24日付。
市内で8月に実施された4回目の日米合同パトロール中、米軍憲兵隊(MP)が拘束、逮捕した海兵隊員3人のうちの1人とみられ、那覇地検は9月30日付で不起訴処分とした。処分理由は明らかにしていない。(2面に関連)
 日米地位協定の刑事裁判管轄権に関する日米合同委員会合意では、日米双方の法執行機関が現場にいる場合、米軍関係者の身柄は米側が拘束するのが原則で、身柄の取り扱いを巡って懸念の声がある。
 県警の知念克幸刑事部長は3日、県議会米軍基地関係特別委員会でパトロールがあった8月16日深夜に発生した事案と説明した上で、書類送検した事実を明らかにした。県警が現場に臨場した際、米兵がけがをし「程度がひどかった」ため、救急車で搬送されたと説明。その後、米軍捜査機関と連携して捜査を遂げたと述べた。
 一方、搬送先の病院については「現時点把握していない」と語った。県警によると海軍病院とみられるが、米側から具体的な報告はないという。
 質問した比嘉瑞己氏(共産)は「基地内の病院に運ばれると、米軍に捜査権が移ることが危惧される」と強調した。
 在沖米海兵隊は本紙の取材に、起訴が見送られたとした上で「当該海兵隊員は、統一軍事法典に基づく懲戒および行政処分対象のままだ」とした。
(社会部・豊島鉄博、政経部・嘉良謙太朗)
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