沖縄県本部町の人気観光スポット「備瀬のフクギ並木」で、レンタル電動キックボード(特定小型原動機付き自転車)を巡り、狭い路地でスピードを出すなど観光客による危険な走行が後を絶たず、地域住民との間で摩擦が生じている。7月にはキックボードに乗った女性が転倒して頭を打つ重傷事故も起きた。
備瀬区や町、本部署は「いつか大きな事故が起きる」と危機感を強めている。(松田駿太)

備瀬のフクギ並木を電動キックボードで走行する観光客=10月9日、沖縄県本部町備瀬区

 木々の緑と白い砂地の道が沖縄らしい風景を作り、「インスタ映えする」と若者を中心に観光客の人気を集める備瀬のフクギ並木。一方で、周辺は住民が日常生活を送る場でもあり、観光客の過度な集中で住民生活に悪影響が出る「オーバーツーリズム」が切実な問題となっている。
 フクギ並木では、4~5年ほど前から電動キックボードのレンタルが始まった。現在、集落内には10台程度の小規模から30台ほどの大規模レンタル店まで少なくとも4店舗ある。
 キックボードの増加に伴い、狭い並木道を高速で走ったり、左右確認が不十分なまま車道に飛び出したりするケースも増え、地域住民からの苦情が相次いでいる。備瀬区の喜屋武朝明区長は「観光シーズンは件数を把握できないほど区民から苦情の電話が来る」と頭を抱える。生活道路にはレンタカーも多く、渋滞も発生している。
 並木道沿いで飲食店を営む女性は、店舗の前で民家の門に衝突し、顔や足から大量に出血した若い女性観光客を介抱した。「大丈夫? と問いかけても答えられない感じで、本人も動揺していた」と振り返る。地域には高齢者も多く、子どもが店舗から並木道に飛び出すことも。「いつ人身事故が起きてもおかしくない」とルール作りの必要性を指摘する。


電動キックボードの利用者に交通ルールを守るよう呼びかける警察官(左)=10月9日、沖縄県本部町備瀬区(画像の一部を加工しています)

 本部署によると、備瀬でのキックボードによる物損事故は2024年が7件、今年は2件発生した。
 備瀬区に住む70代の女性は「レンタル業者には利益より住民の暮らしを優先してほしい」と訴える。集落内でレンタル店を営む男性は、安全確保に協力するとした上で「『明日からここは走らないで』など、一方的にルールを決めるのではなく、われわれ業者も一緒にルールを作り、地域と共存していきたい」と話した。
 備瀬区では今年4月、フクギの並木道を占拠してウエディングフォトを撮影する人が相次ぎ、原則、禁止とした経緯がある。

「いつ大事故が…」沖縄の人気観光地・備瀬フクギ並木で危険走行...の画像はこちら >>
備瀬のフクギ並木を電動キックボードで走行する観光客=10月9日、沖縄県本部町備瀬区">
「いつ大事故が…」沖縄の人気観光地・備瀬フクギ並木で危険走行 電動キックボード巡り住民悲鳴
電動キックボードの利用者に交通ルールを守るよう呼びかける警察官(左)=10月9日、沖縄県本部町備瀬区(画像の一部を加工しています)">
編集部おすすめ
沖縄タイムスプラスの記事をもっと見る

トピックス

今日の主要ニュース 国内の主要ニュース 海外の主要ニュース 芸能の主要ニュース スポーツの主要ニュース トレンドの主要ニュース おもしろの主要ニュース コラムの主要ニュース 漫画の主要ニュース