【国頭】国頭村宜名真地区の「フーヌイユ(シイラ)まつり」が11月23日、5年ぶりに復活する。「富をもたらす魚」を意味するフーヌイユは秋から冬にかけての風物詩で、同区では古くから盛んに漁が行われてきた。
だが、恒例行事の祭りは新型コロナ禍で中断。実行委員会の宇良哲也委員長は「やるからには成功させたい」と意気込む。(北部報道部・大庭紗英)
 第1回会合が9月29日、公民館で開かれた。区民をはじめ村観光協会、国頭漁業協同組合などの関係者が集まり、開催へ向けて士気を高めた。
 フーヌイユ漁は300年の歴史があるとされる。ひき縄で釣り上げたシイラをすぐに解体、塩漬け、天日に干して干物にする。
 鮮度保持が難しいシイラを長期保存するための工夫として始まり、食料確保に苦労した時代に貴重なタンパク源だった。
 以前は恒例行事として祭りを開催し、干物を求めて県内外から多くの客が訪れた。だが、2020年に新型コロナ禍で中止になって以降、人手不足や高齢化の課題があり、開催が途絶えている。
 「せっかく宜名真で受け継いできた伝統の食文化だ。残さなければ」。今年、周囲に呼びかけた区民の宇良宗廣さんは「区民が大事にしてきたフーヌイユ。
ふるさとを愛する理由になるものがなくなってはいけない。一度止まってしまったことを復活させるのは難しいが、区にはまつりが必要だ」と語る。
 区が主体となり、実行委が立ち上がった。地域がにぎわい、伝統を広める機会を5年ぶりにつくろうと、区民が一丸となっている。
「シイラまつり」コロナ超え11月復活 沖縄・国頭村の風物詩 ...の画像はこちら >>
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