ライオンの子ホールディングス(HD、末広尚希代表)が資金繰りの悪化などを背景に小規模認可保育園3園を年内で閉園する方針を決めたことを受け、那覇市は21日、緊急会議を開き対応を協議した。市によると、閉園予定の「キアラ」近隣の認可園は現時点で年度途中の受け入れが厳しく、在籍園児13人の転園先は見通せていない。
担当者は「最善を尽くす」と話している。
 HDは同日、「キアラ」で保護者説明会を開催。12月に閉園する方針や、これまでの経緯を説明した。参加者によると、当初検討された県外法人への株式譲渡は、不正受給に伴う多額の債務などを背景に進まなかったという。事業継承による存続も厳しく閉園を決めたと報告があった。
 在園児の転園先については、市や近隣の保育園と連携を取るなどして調整を進める姿勢を示したという。
 「キアラ」に2人を預ける保護者は「上の子の世話もあるので遠くへ移るのは物理的に難しい」と困惑。別の保護者は「早く転園させてほしいけど閉園までに間に合うのか」と不安げだった。「園の先生はいい人ばかりで安心できるし、可能ならここで預け続けたい」と惜しむ声もあった。
 他に年内で閉園するのは浦添市の「ティモン」と宜野湾市の「プンバァ」。市などによると、両園は近隣に受け皿となる保育施設があり、保護者の希望に応じて転園調整は可能という。
 不正を巡っては、県や3市の調査で2019年度から5年間の虚偽報告が認可5園で確認され、総額約1億3千万円の不正受給が明らかになった。
認可外の企業主導型保育施設2園の不正を含めると総額は計約2億6千万円にのぼる。
 認可5園の不正受給分は3市に全額返還された。一方、こども家庭庁によると、認可外2園の返還は確認されていない。
(社会部・末吉未空、新垣玲央、下里潤)
年内で閉園のライオンの子保育園、園児13人の転園見通せず 保...の画像はこちら >>
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