1598年、豊臣秀吉病没のため、朝鮮出兵した日本軍は全軍引き揚げ。その際、大名たちは朝鮮人陶工を日本に連れ帰った。
以後、彼らは日本に暮らし、日本の土で陶磁器を作り、現在も受け継がれる薩摩焼、萩焼、上野焼などを生み出した。
 映画は、薩摩焼を世に送り出した沈壽官家を中心に、日本で先祖代々受け継がれた伝統技術を守り受け継ぐ陶工たちの420年にわたる物語をひもといていく。
 朝鮮陶工の伝統を守り続けるということは、日本人とは異なる文化を守り続けることと同意義であり、そのことにより彼らは常に偏見や差別にさらされてきた。
 各時代を生き抜いた歴代沈壽官の偉業と苦悩を垣間見ながら、沖縄の「やちむん」を発展させた張献功さんのことを思う。彼もまた、1598年に日本へ連行された朝鮮人の一人だった。(桜坂劇場・下地久美子)
◇11月1日から桜坂劇場で上映
【桜坂劇場・下地久美子の映画コレ見た?】『ちゃわんやのはなし...の画像はこちら >>
編集部おすすめ