ランサムウェア攻撃によるシステム障害の影響で、沖縄県内でもアサヒのビール品薄が続いています。無類のビール好きの私。
愛飲しているアサヒの「スタイルフリー」も手に入りづらく、近隣のスーパーを何軒も回る日々です。
【読まれています】アサヒへのサイバー攻撃 専門家が教える、沖縄企業が取るべき対策
MICEの経済効果は右肩上がり
 今週の「デジ編チョイス」で取り上げるのは、沖縄で2024年に開かれたMICE(大規模会議や展示会など)の件数・参加者数が、いずれも過去最多だったというニュース。直接経済効果も右肩上がりで好調な一方、大型施設の不足により需要の取りこぼしも出ているとのことです。(記事を読む)

県内でのMICE開催件数。経済効果は右肩上がり

構想から10年以上たつけれど
 「大型施設の不足」といえば、沖縄県が中城湾港マリンタウン地区(与那原町、西原町)に計画している「大型MICE施設」を思い浮かべた人も多いのではないでしょうか。
 県の大型MICE施設は、2013年の基本構想から10年以上が経ちますが、いまだ着工に至っていません。2022年の基本計画策定を経て、2024年に施設建設・運営の入札広告を出したものの、応札事業者はおらず入札不調に終わりました。県は事業を再度進めるため、今年11月に有識者委員会を立ち上げ、基本計画を見直す考えだといいます。
【アーカイブ記事】入札不調の理由は・・(2025年2月公開)
生い茂る草が点字ブロックに
 供用開始を待ちわびるマリンタウン地区の建設予定地は今、どうなっているのでしょうか。
 足を運んでみると、157センチの私の背丈ほどに伸びた雑草が生い茂り、建設予定地の全体像はうかがえません。県によると年に最低1度は雑草を刈っているそうですが、雑草は予定地を囲うフェンスをはみ出して歩道へ。点字ブロックにかぶさっていました。
県は、月内に草刈り作業に入る予定だとしています。

建設予定地からはみ出た雑草が点字ブロックに覆いかぶさっている=10月23日、沖縄県与那原町
よく見ると、雑草の中に建設予定地の看板がある=10月23日、沖縄県与那原町

 建設予定地の周辺には「テナント募集中」の物件もちらほら。2015年の建設予定地決定から10年以上、着工の動きがないこともあり、「本当に大型MICE施設ができるのか」と半信半疑の近隣住民もいました。県は申請があれば予定地を一時的に貸し出しており、これまでに資材置き場や与那原まつりの駐車場として利用されたことがあるそうです。
ぜひ読んでほしい「黒字の理由」
 沖縄県立病院が赤字拡大で職員削減を検討しているとのニュースが話題を呼んでいます(記事を読む)。このニュースを考えるうえで、ぜひ読んでほしいのが、県立中部病院で研修医として勤務していた新屋洋平医師(ゆい往診クリニック)が寄せたエキスパートEyeコメントです。このコメントは、病院の経営が過去、いかにして成り立っていたかという構造的課題を知る上で重要です。一部を紹介します。

県立中部病院(資料写真)

 勤務医として働いていた時のイメージは、「中部病院が県立病院の中で唯一黒字で、他の病院や診療所は赤字」というものでした。ただ、中部病院が黒字であったことには理由がありました。
ご存じの県民も多いかと思いますが、中部病院は医師の研修病院として全国的に有名です。だいたい1年目から5年目くらいまでの研修医が、常に100名ほど在籍していました。
そして、研修医が医療提供の主体となり、救急外来や病棟に入院している患者さんの対応を、それこそ24時間休みなく行っていました。夜中でも内科や外科、小児科などの各科には3名以上の研修医が当直していて、入院患者が熱を出したときなど急変時は採血や心電図検査、レントゲン室までの送迎などを担っていました。その研修医は当時は正職員ではなく基本給が低く抑えられ、時間外の給料はほぼ払われていなかったと記憶しています。
 ある意味で、民間病院では看護師が行うような業務まで、格安で雇用している研修医が担い、人件費を抑えていたと思っています。もちろん、研修医にとっては豊富な患者さんからの医療経験、採血などの手技の機会が増えることによるメリットもありました。一方で、長時間にわたる勤務による疲労から研修を中断し辞める同期は複数いましたし、先輩研修医は帰宅途中に交通自損事故で亡くなりました。数年にひとりは自殺をしてしまう研修医もいました。
職員数の増加には、後期研修医が正職員になることや、研修医の業務負担軽減による看護師やコメディカル職員数の増加が要因としてあるものと想像します。
 2000年代初頭の黒字そのものが、現在から見ると異常な勤務環境によって発生したものであるという認識が、まずは重要かと思います。(抜粋、全文はこちら)
 県立中部病院で働く研修医の激務ぶりは、NHKのドキュメンタリー「こうして僕らは医師になる~沖縄県立中部病院 研修日記~」でも紹介されていました。
 県立病院は、県民の命を守る最後の「砦(とりで)」と言っても過言ではありません。しかし、この「砦」がこれまで、何を犠牲にして成り立っていたのか。
その背景を知らなかった県民の一人として強く考えさせられるコメントでした。現在の医療体制を適正に維持・発展させていくためにも、ぜひ多くの方に全文を読んでもらいたいです。
南城市議選の特設サイト公開
 沖縄タイムスは24日、南城市議選の立候補予定者を紹介する特設サイトを公開しました。古謝景春市長への不信任決議案への賛否を含め、政策アンケートを候補者ごとに分かりやすく掲載しています。

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 ここ数日の記事を読んで、私は週末の予定を「沖縄の産業まつり」に決めました!おいしいもの、たくさん食べるぞ。
 週末の天気は、連載100回(!)を迎えた崎濱綾子さんのお天気コラムで、ぜひチェックしてくださいね!今週のデジ編チョイスは篠原知恵が担当しました。
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