沖縄セルラー電話は10月23日、男性更年期をテーマにしたセミナーを那覇市の本社ビルで開催した。オンラインを含めて、同社グループ社員と県内企業の人事担当者ら約150人が参加。
すぐに取り組めるセルフケアや職場での適切な対応などを学んだ。
 男性の更年期は、テストステロンと呼ばれる男性ホルモンの分泌減少が原因で起きる。不眠や集中力の低下、疲労感や関節症など心身の症状の他、性欲減退やEDなど性機能にも影響を及ぼすが、当事者も周囲も「年を取ったから」「疲れているだけ」と見過ごされることが多かった。職場ではうつ病に間違われることもあるという。
 一方、今年6月に政府が閣議決定した経済財政運営の指針「骨太方針」に男性更年期障害が盛り込まれ、年間1.2兆円の経済損失が試算されるなど注目を集めている。
 講師を務めた琉球大学医学部客員研究員の秋元隆宏さんは、男性は20代をピークにテストステロンの分泌が緩やかに低下するため変化に気付けないと説明。低下の理由に「睡眠不足・ストレス・肥満」の三つを挙げた。
 その上で、15分早く眠ることや、散歩や瞑想(めいそう)、推し活などでストレス解消につなげる、ビタミンや亜鉛、アリシンなどの栄養素摂取を意識するなど日常で気軽に取り組めるセルフケアを紹介。どのセルフケアも「継続が重要」と強調した。企業側にはストレスチェックやセミナーの実施を通した周知などを求めた。
 更年期かどうかを確認するには、泌尿器科など医療機関の診断が必要だが、秋元さんによると対応する医療機関は県内に少ないという。「個人の問題ではなく、企業や日本全体の問題」と述べ、認知度向上や対策の広がりを呼びかけた。
(社会部・村井規儀)
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男性の更年期、職場で理解を 「年を取ったから」で片づけず 沖縄セルラー電話が講座、対応学ぶ
男性の更年期について講演した秋元隆宏さん
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