【南城】2日に南城市文化センター・シュガーホールを主会場に開かれた「第22回琉球国王尚巴志ハーフマラソン」。ランナーたちは沿道の声援を受けながら、急勾配の新里坂(びら)やニライカナイ橋を走り、親子の絆や友情を確かめ合っていた。

 琉球を統一した国王が、自身の名を冠したマラソン大会に「降臨」した。いずれもうるま市の上江洲清政さん(60)は尚巴志に、前田靖さん(48)と直さん(47)兄弟はその従者に扮(ふん)し、3人そろって完走した。
 かつて琉球国王や王国の最高神女「聞得(きこえ)大君(おおきみ)」が国の繁栄を願って佐敷や知念の聖地を訪れた「東御廻り(あがりうまーい)」の再現だとし、走りながら「王様」「王様」と沿道の人気を集めていた。
 同市のランニングチーム「Try」の仲間。上江洲さんと靖さんの2人が年男のため、厄払いの目的で企画した。防災用のアルミシート製の羽織など、3カ月かけて衣装を用意した。
 靖さんは「無事に護衛できた」と使命感を漂わせ、直さんは「応援に元気をもらえた」と感謝。上江洲さんは「民から慕われながら走れたが、風を通さないアルミシートが暑過ぎた。これで最後にする」と笑った。(社会部・又吉嘉例)
琉球国王がマラソン大会に”降臨” 尚巴志らに扮し完走 沿道の...の画像はこちら >>
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