[戦後80年] 翁長安子さん(95)
 沖縄戦から半年ほどが過ぎた1946年2月。16歳だった翁長安子さん(95)は本島南部の米須集落で友と遺骨を集めていた。

 痩せた少女2人で麻袋に入れ、申し訳ない気持ちで引きずって運ぶ。ふと目を向けた一角に、緑の小ぶりなトマトが多く実をつけていた。
 草木は亡きがらを栄養分に育つと聞いていた。トマトの根元に三つの頭蓋骨があった。長い髪の毛が付いた大きいものと、小さいのが二つ。母親が幼児たちを抱きかかえているようだった。
 「こんな小さな子たちまで…」。悲しさと悔しさで体が震えた。すぐには拾えず、立ち尽くした。(社会部・吉田伸)

沖縄戦から半年 大小三つの頭蓋骨 「こんな小さな子たちまで…...の画像はこちら >>
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