有権者は古謝市政の継続に「ノー」を突き付けた。
 セクハラ問題で不信任決議を受けた南城市の古謝景春市長が、市議会を解散したことに伴う市議選で、改選後に再び不信任に賛成するとしたうち18人が当選した。

 定数20の過半数に達しており、古謝市長の失職は避けられない。
 市政継続の是非が最大の争点だった。
 市議選告示後に「私を応援している方々の票差を見れば市民も理解してくれる」と述べていた古謝氏だが、不信任に賛成した前職のほとんどが当選している。
 示された民意は重い。
 だが、議会の構成に大きな変化はない。首長個人の不祥事が原因の解散は不条理で、一体何のための選挙だったのか。
 しかも古謝氏は、改選後の議会で不信任決議が可決され失職しても、出直し選挙に出ることを早々と明言していた。
 そうであれば当初から議会解散ではなく、自ら失職を選択すべきだった。市議選には約2500万円の費用がかかっている。貴重な税金と時間を浪費させた責任はことのほか重い。
 投票率は過去最低の58・12%だった。首長と議会の対立に困惑した人も多かったのではないか。

 セクハラ問題が表面化して2年近くたつ。市政の混乱がこれほど長く続いているのは、古謝氏の対応にあると言うほかない。
 選挙の結果を謙虚に受け止めるべきだ。
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 問題は失職後の対応である。
 古謝氏のセクハラ疑惑を巡っては、市職員らへのアンケートで「キスされた」「太ももを触られた」など9件の被害報告があった。
 市の第三者委員会も職員らへの直接の聞き取りなどからセクハラ・パワハラを認定している。
 その上、古謝氏自身が被害にあった女性職員に口止めする録音データも露見している。
 自らも、ハグをしたり、身体を触ったりしたことを認めながら、セクハラを否定し続けるような態度では、さらなる混乱を招くばかりだ。
 古謝氏がやらなければならないのは、こうした市政の混乱に一刻も早くピリオドを打つことにほかならない。
 それは失職後の出直し選挙に立候補することではない。
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 静岡県伊東市でも学歴詐称など自身の不祥事が原因で不信任決議を受けた市長が議会を解散し、先月市議選が行われた。その結果、改選後に再び不信任を受けて失職した経緯がある。

 地方自治法は首長の解散権限を定めるが、首長自身の不祥事について首長が解散権限を乱用。再び不信任を受けて失職したにもかかわらず出直し選として立候補するのでは、法を悪用していると言われても仕方ない。
 大義なき選挙は政治不信を招く。
 法の見直しも検討すべきだ。
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