【北谷】任期満了に伴う北谷町長選が11日に告示され、現職で2期目を目指す渡久地政志氏(46)=立民、共産、社民、社大推薦=と、無所属新人で会社役員の玉城佐恵子氏(41)が立候補した。投開票は16日。
2氏に立候補の理由や主な公約などを聞いた。(中部報道部・垣花きらら)

(左から)渡久地政志氏、玉城佐恵子氏

渡久地政志氏・基地跡地活用 明確に

 

 -立候補を決めた理由は。
 「4年前の初当選から掲げた公約はおおむね達成できたと考えているが、宿泊税の導入をはじめ、観光振興、子ども支援、高齢者福祉、経済、教育など、やるべき課題が山積している。次の4年間でそれらを着実に進めていきたい」
 -町政の課題は。
 「町は発展し税収も増えたが、土地や資材の高騰で住宅確保が難しくなっている。住みたい町として人気が高まるほど家賃が上がるという課題もある。現在、県と連携して家賃の低廉化を進めており、今後は公共施設の集約化などを通じて、土地の有効活用を図りたい」
 -主な公約は。
 「平和の継承を柱に戦争体験者の声を次世代に伝える仕組みを強化する。基地の跡地利用を具体的に示し返還を求める。医療費や給食費の無償化を継続し、3~5歳児の食費の無償化も段階的に進める。宿泊税導入で町の魅力を創出し、住民福祉サービスの向上などに循環させる。町営野球場と周辺を整備する『ボールパーク構想』の意見も集約する」
 -基地問題への対応は。

 「キャンプ桑江やコリドー地区の返還は現状では進展が見えない。学校や住宅など具体的な活用計画を示して返還を求めていく」
 -有権者へのアピールを。
「戦後80年、復帰53年を経て、これからの100年先を見据えた町のビジョンを描く時期だ。町民と共に未来を描き、持続可能で誇れる北谷町を築く」
玉城佐恵子氏・女性の自立支援推進

 

 -立候補を決めた理由は。
 「会社を経営する中で女性の働き方を深く考えてきた。一企業の努力だけでは限界があり、これまで現場の声を行政に届けようとしてきたが、今の行政に違和感を持っている。自ら行動し仕組みを変える側に立ちたいと思い、立候補を決意した」
 -町政の課題は。
 「退職後の高齢者の孤立が課題だと感じている。経験やスキルがあっても家で節約をするという生き方に不安を抱いている人もいる。町内の相談窓口などを通じて、これまでの経験を生かせる活動に結び付ける仕組みをつくりたい。PFAS問題も課題だ」
 -主な公約は。
 「女性の経済的自立を支援し、子育て世代向けの町営団地整備や、子どもの自己肯定感を育む教育制度を進める。
AIセミナーなど学びの場も設けたい。社会貢献に応じたポイント制度を導入し、ポイントに応じたシニア向け商品券を発行する仕組みもつくる」
 -米軍基地問題への対応は。
 「降下訓練や騒音問題に対しては、町民の安全を守るため国や県に防音や安全対策などの拡充を求めていく。基地の返還交渉は県や国の責任で進めるべきで、返還後は県内企業の誘致で地域経済を活性化する」
 -有権者へのアピールを。
 「住民の声やアイデアを生かし、官民学が連携する『みんなでつくる町づくり』を進めていきたい。高齢者も生きがいを持ち、町全体で楽しく暮らせる北谷を目指す」
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沖縄・北谷町長選、11月16日に投開票 立候補者2氏に公約などを聞く
沖縄・北谷町長選、11月16日に投開票 立候補者2氏に公約などを聞く
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