南城市議会による2度目の不信任決議で失職した前市長の古謝景春氏が、11月19日(水)午前、那覇市内で記者会見に臨みました。失職後、初めて公の場に立った古謝氏の冒頭発言を動画とテキストで紹介します。

沖縄県南城市・古謝景春前市長の冒頭発言】
 こんにちは、南城市前市長の古謝景春です。ご多忙の中、きょうの記者会見にお集まりいただき、誠にありがとうございます。記者会見では、今回の失職に対する私のコメントと、今後、南城市議会、琉球新報、沖縄タイムスを相手として、日本弁護士連合会に人権救済の申し立てを予定していることを報告したいと思います。時間の関係で質問はほとんど受け付けません。ご了承下さい。
 今回の失職に対する私のコメントです。
 先日、南城市議会における市長の不信任案が可決され、私は失職 することとなった。この不信任案は、私がセクハラをしたことを前提にしており、そうでないとしても、今回のセクハラ関係の騒動の発端が私にあるとして、その責任を負わせることを目的としているものと思います。
 確かに、市民のみなさま方に対しては、今回の騒動を抑えきれなかったという点では、私にも責任があり、そのことについては、お詫びしたいと思います。しかし、私としては、しつこく琉球新報が報道しているような、セクハラ行為、例えば女性にキスしたこともありませんし、チークダンスを強要したこともありません。ここははっきりしたいと思います。
 私は、第三者委員会の調査報告がされ、その後も、新聞報道やテレビ放送で悪く言われても、失職しても、2年がたっても、私は一貫して否定してきました。
そのことだけは変わりません。
 そして、私が前回、記者会見で危惧したように、今回の市議選では、私がセクハラしたことを前提に話が進んでいました。その理由としては、琉球新報による報道があると思います。連日、私がセクハラしたという前提に報道していた。しかし、みなさんに考えてほしいのは、誰が、セクハラだと認定したのかということです。つまり、認定したのは裁判所ではなく、第三者委員会です。本来であれば、セクハラ、つまり強制わいせつ行為については、民事事件や刑事事件として裁判で事実認定を行い、やっと社会的にそのようなことがなされたと認めるわけです。社会的に重い処分を追わせるものだからこそ、しっかり手続きを踏んで厳格に審査して決めるから信頼できるわけであります。
 今回はどうでしょうか。第三者委員会は、事実認定について、裁判所よりも軽い証明でよいといって、被害者の言い分だけでもって認定をしています。しかも、重たい処分を出さないと言いながら、突然、市長は今後、市政に関与するななどと言ってきた。完全に不意打ちであります。

 普通、事実認定には客観的証拠が必要であるところ、そのような証拠がないため、みなさんが苦労しているのにも関わらず、簡単に認定されております。このようなことが起きれば、裁判所が厳格な証拠でもって事実認定したことの意味がなくなると思います。つまり、被害女性としては、裁判所で争っても勝てないので、第三者委員会に申し立てて、簡単に事実認定してもらえればいいわけであります。
 さて、その第三者委員会の報告を受けたものの、私の不信任案は3回とも可決されずにいたが、4回目の不信任案の直前に録音データが公開された。つまり、被害者と称する女性が議会に押しかけて、加工されたかどうか分からない録音テープを渡し、報道機関にリークしてそのまま報道しています。本来は、私とその女性との会話は公務中のことであるため、公務員の守秘義務があり、その女性は守秘義務に違反しております。本来であれば、彼女はしかるべき手続きをとるべきでありますが、騒動を起こしたいのか、新聞報道機関にリークして、報道機関も私の反論を待たずに報道したので今回の騒動が起きてしまいました。
 (被害を訴えている関係者の特定につながりかねない発言のため一部を削除)しかも、彼女は毎朝、私ににこやかにあいさつしていましたので、まさか彼女が私にセクハラされたと言っているとは思いませんでした。この女性の今回の行動や、それまでの行動を見ても、私がセクハラ行為をしていないのは明白であります。
 あと、新聞記者は、この録音に対する反論について、数日たっても私から何もコメントがなかった、対応が遅い等々と話していたが、私も公務で忙しいし、そのような重要なものについて数日で精査して反論できるはずもありません。このように、私の反論も聞かずに、私に不利なように報道したために、不信任案が可決されることになりました。この点、南城市議会としても、その録音データについて慎重に検討せずに、被害者側の言い分に沿って判断したのは、やや早計とも思えます。
今後、同じような手法を使って、失職に追い込むようなことが起きるのではないかと心配しています。
 さて、このように私としては、今回の騒動は、被害者と称する女性がしかるべき手続きをとらずに、新聞機関に情報をリークして騒動を起こし、間違った情報をもとに市民が判断してしまったから起きたのだと思います。そのため、私に責任をとれという市議会の判断も誤りではないかと思いますが、失職された以上、やむを得ないとも思っております。
 これまで、私は南城市の市民の皆様方のために一生懸命にがんばって参りました。私の政策についてご存じの方も多いでしょう。私は南城市民が過ごしやすいように、道路建設や物価高対策など色々な政策を講じてきました。そのことについては誇りに思うし、今後、市政に関与される方には頑張ってもらいたいと思います。
 また、今回、失職することになったが、今後も、後輩や今まで支えてくれた方々にご恩を返したく、さらなる支援をして参りたいと思っています。
 
 次に、私としては、今回、私に対する名誉毀損行為を報道機関が連日行っていることに対して異議を申し立てるために、日本弁護士連合会に人権救済申し立てを予定しています。報道機関は、私がセクハラ行為をしたと言っていますが、そもそも、それは裁判所等の法的手続きを経て認定されたものでしょうか。特に録音については、私の反論も聞かないどころか、その録音の前後の経緯、その女性の立場や状況など、分かっているのでしょうか。それについて新聞には書いていません。
ただ、私が口止めしたかのように言った部分だけを切り取って報道し、決めつけております。
 また、(聞き取れず)書き方が見にくくて、人によっては第三者委員会の報告の後に、私が女性職員にキスしたなんて思っている人もいた。それは本当に正しい報道の仕方でしょうか。また、公人だからといっても名誉毀損になります。裁判で立証できないとかは関係なく権利を侵害していることになります。
 さらに、前回の私の記者会見での反論は、琉球新報や沖縄タイムスでは、私の意見は報道されませんでした。されたとしても、言い直りとか、うがった見方の部分だけが切り取られて、悪く報道されている。民事事件についても、私にとって有利な証拠や主張は一切報道されていません。あまりにも不公平です。それで、私から反論しても何も改善されないので、きちんとした手続きを経てもらいたいと思う。私は市長の地位を失職し、もう公人ではありません。そのため今後、報道機関において公平な報道をしてもらいたく、また注意喚起のため報告しました。

 最後になりますが、今回の私の意見表明を受けて、報道機関においては、今後は一方的でうがった見方をするような、不公平な報道をしないようにお願いを申し上げます。以上です。
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