沖縄本島北部の水源と浄水場をつなぐ水道管が破裂して漏水する事故が大宜味村内で24日に発生し、県企業局が那覇市など本島中南部17市町村37万世帯で断水する恐れがあると発表した。午後10時現在、那覇市など4市町で断水が確認されている。
事故があった送水系統と別系統を使用し、25日午前にも市町村で通常通り水道が使用できるよう復旧作業を進めている。(政経部・銘苅一哲)

導水管が破裂した大宜味村の県道(県企業局提供)

 市町村によって配水池の貯水量や使用状況が異なるため、断水がどの程度発生するかは不透明。24日午後9時現在で嘉手納町、中城村、北中城村、恩納村、金武町は「現時点で断水予定なし」としている。

 

 県内では過去に台風や渇水による断水があったが、事故による大規模な断水は初めて。24日は公共施設や飲食店でトイレが使用できなくなり、スーパーなどに水やタンクを買い求める客が殺到。給食が提供できないため25日は学校の授業を午前中のみとする自治体が出るなど、県民生活に大きな影響を与えている。
 事故があったのは東西二つの送水系統のうち西系統。北部の水源と久志浄水場(名護市)をつなぐ水道管で、大宜味村塩屋地内の県道地下に敷設された部分が破裂した。設置は1967年で、老朽化による腐食が原因とみられる。
 法定の耐用年数40年を超えているが、98年以降に設置した別の水道管を並列して使用し、半年に1度の目視点検をして使っていた。

 

 企業局は24日午前3時ごろ水道管破裂を確認し、午後5時25分に久志浄水場から西原、石川の2浄水場への送水を停止。西原は9市町への送水を午後6時20分に止めた。
16市町村に送水する石川は25日に停止する可能性がある。
 一方、企業局が111事業者に提供する工業用水は断水しており、復旧状況次第で経済への影響も懸念される。
 送水の東系統は24日時点で改修工事のため使用を止めていたが、事故を受け再開を決定。25日午前2時に送水を始め、浄水場を経由して同日午前をめどに各市町村に水が届く見通し。
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37万世帯で断水の恐れ 沖縄本島中南部の17市町村 北部の水源の水道管破裂 きょう25日午前にも復旧見通し
37万世帯で断水の恐れ 沖縄本島中南部の17市町村 北部の水源の水道管破裂 きょう25日午前にも復旧見通し
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