平和や命の尊さを伝えるエッセーや小論文などを対象にした第14回石橋湛山平和賞(主催・山梨平和ミュージアム)の各賞が26日までに発表され、中高生の部最優秀賞に糸満中2年の上原諒(りょう)さん(14)の作品が選ばれた。「沖縄高校生平和ゼミナール」のメンバーとして核兵器禁止条約の批准を訴えた小論文「未来への署名-沖縄から核を拒む」が評価された。
県内からの最優秀賞は2020年に姉の一路(ひろ)さん(20)が受賞したのに次いで2人目。
 上原さんは今年3月に上京し、東京や静岡など各地の高校生が集めた署名と合わせた2万2465筆を外務省に提出した。「日本復帰前の在沖米軍基地に核兵器が1300発配備されていた」と指摘。「沖縄が再び戦場となることと核の島になることを拒否します」と訴えた。
 小論文では上京時の活動に触れ、被爆者も同席する中、核抑止の重要性を説く外務省職員に憤ったこと、渋谷での「アピールウオーク」で冷たい視線に心が沈んだことなども記した。「1人でも多くの人の心に響いたらいい」と改めて決意した思いをつづった。
 12月に甲府市である表彰式は部活の大会と重なり出席できないためメッセージを送る。「非核三原則が見直されたら、核が真っ先に配備されるのは沖縄。声を挙げないと黙認するのと一緒。嫌だなという声をしっかり伝えたい」と話した。(社会部・吉田伸)
編集部おすすめ