県内の経済団体幹部や保守系首長らでつくる知事選候補者選考委員会は11月30日に初会合を開き、自薦他薦を含め候補者を公募することを確認した。
金城克也選考委員長(日本商工連盟那覇地区代表世話人)が語った次の言葉に注目したい。
「自民党だけではなく、われわれの考え方と一致する政党には(連携の)呼びかけをしていこうと考えている」
これまで一緒に選挙を戦ってきた公明党は連立を離脱したものの、県本の幹部は「長年の関係を急に崩すのは難しい」と話し、「オール沖縄」候補への乗り換えには抵抗感を示す。
11月の県連大会で国民民主党の県連代表に就任した上里直司那覇市議は「選考の段階から今の知事ではないところで関わりたい」と明言した。
高市政権の下で与党入りした日本維新の会、新興勢力ながら県内でも存在感を発揮する参政党。
金城委員長の発言からは、自民党と考えの一致する政党との連携を模索し、幅広い政治勢力を結集したいとの思惑が読み取れる。
現職の玉城デニー知事はまだ意思表示をしていないが、県政与党の中には3期目挑戦に期待する声が強い。
県政野党が「現職では駄目」だと言っている時に、県政与党に求められるのは、「なぜ玉城なのか」という有権者が納得する明確な理由付けである。
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「オール沖縄」勢力は、二つの大きな問題を抱えている。
一つは、構成する社民・共産・社大など老舗政党支持層の高齢化が目立ち、現実政治を重視する若い層を取り込めていないこと。
もう一つは、他候補との違いを際立たせてきた辺野古の新基地建設が、争点になりにくくなっていることだ。
新基地建設に反対する県は、裁判に敗れ、国の工事に対して打つ手を失い、工事を止める見通しが立たなくなった。
今やどの候補も、新基地建設より物価高や子どもの貧困、子育て支援などを前面に掲げ、選挙戦に臨んでいる。
このような政治状況の中で「知名度が高いから」という理由だけで現職を推しても、有権者を納得させることはできない。
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来年は知事選だけでなく、市町村長選や市町村議会議員選が集中する統一地方選の年でもある。
知事選がとりわけ重要なのは、日中関係の急激な悪化が、沖縄にもさまざまな影響を及ぼし始めているからだ。
高市早苗首相は国会答弁で、台湾有事の際の自衛隊による集団的自衛権の行使に触れた。
沖縄を戦場にしない。戦争を起こさせない。そのために今、何が必要なのか。直面する問題を正面から論じる機会が、来年の沖縄県知事選である。

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