反核・平和、協同・連帯、人権擁護などの視点で優れた報道をした個人・団体に贈られる「平和・協同ジャーナリスト基金賞」の第31回受賞者が3日、発表され、沖縄タイムス編集局の「沖縄戦80年 鉄の暴風 吹かせない」キャンペーン報道が大賞の基金賞を受賞した。

「平和の礎」(沖縄県糸満市)の刻銘者が掲載された紙面から、親族などの名前を探す児童ら=6月18日、那覇市古島・松島小学校(宮城貴浩撮影)

 企画で最も評価された「平和の礎刻銘者プロジェクト」は今年6月、「平和の礎」(沖縄県糸満市)に刻まれている24万2567人の名前を毎日4ページずつ13日間、全52ページにわたり掲載した。
沖縄戦の体験者が年々減少し、継承が危ぶまれている中、おびただしい犠牲を実感を持って伝えようと企画し、県内外から連日反響があった。
 新年企画「悲(なちか)しや沖縄(うちなー) 戦争の心と傷」は戦争体験者だけでなく、子や孫の世代にも影を落とす戦争の痛みに向き合った。トラウマの当事者や研究者を招いたシンポジウムでは議論を深めた。
 地域面で展開した連載「シマぬ記憶(うびぃ) 地域の沖縄戦」は県内でも地域で異なる沖縄戦の実相を大判写真と共に伝えた。体験者の聞き取りを重要視した報道姿勢を伝える動画「コンセプトムービー」も制作した。
 贈呈式は13日、東京都内で開かれる。
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「平和の礎」(沖縄県糸満市)の刻銘者が掲載された紙面から、親族などの名前を探す児童ら=6月18日、那覇市古島・松島小学校(宮城貴浩撮影)">
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