さよならオキちゃん　半世紀愛された「沖縄の顔」【11月29日～12日7日 タイムス＋プラスから】

　気がつけば12月、今年も残すところあとわずかとなりました。 1月から見続けてきた大河ドラマ「べらぼう」。あんなに若くはつらつとしていた「蔦重（つたじゅう）」も、今や髪に白いものが混じるようになりました。 ドラマを通じて人の一生を見守っていると、改めて月日の流れの早さを実感します。師走の慌ただしい中ですが、ちょっと一息。今週のウェブで話題になった注目記事をピックアップしてご紹介します。

 

「沖縄の顔」オキちゃん、旅立つ
　師走に入り、悲しいニュースが飛び込んできました。沖縄美ら海水族館のスター「オキちゃん」（推定52歳）が、長い旅に出ました。

トレーナーの指示で勢いよくジャンプするイルカのオキちゃん＝４月８日、本部町・海洋博公園（金城拓撮影）

　子どもの頃、海洋博公園に行くたびに会うのが楽しみだったオキちゃん。親になり、息子たちを連れて久しぶりに「オキちゃん劇場」へ足を運んだとき、まだ現役でジャンプする姿に驚き、感動したことを覚えています。県内では私のように、親子2代、3代で親しんだ方も多いのではないでしょうか。
　沖縄観光を牽引し続けて50年。沖縄が舞台となった1980年の映画「男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花」には、寅さんが海洋博公園を訪れるシーンがあります。スクリーンにはプール内を軽快に泳ぐイルカたちの姿も記録されており、若き日のオキちゃんも、その中の１頭として“出演”していたかもしれません。

沖縄国際海洋博覧会が開幕。人気のイルカショーでは、豪快なジャンプに大きな歓声が上がった＝１９７５年７月２０日、本部町

　また、藤子・Ｆ・不二雄先生のＳＦ短編漫画「ぼくのオキちゃん」のモデルにもなりました。沖縄国際海洋博覧会を訪れた少年が未来の海に迷い込んでしまうストーリーで、オキちゃんは少年のピンチに現れる重要な役どころです。まさに、スクリーンや漫画の世界でも愛された沖縄の「顔」でした。
　沖縄タイムスでは、その半世紀の歩みや飼育の舞台裏など、関連記事を多数掲載しています。美ら海水族館担当の松田駿太記者は、旅立ちから一夜明けた劇場を取材し、「オキちゃんがいないショーを見て涙が出そうになった」と漏らしていました。
　そんな松田記者の、万感の思いがこもった連載記事がこちらです。
（１） 「死んでも泣かないのがプロ」それでも…涙声の飼育員
（２）「オキちゃん」の長寿を支えた、美ら海水族館の飼育技術
＜オキちゃん関連ニュース一覧＞
言葉を失ったアナウンサー、再起の旅
　「言葉が出ない。人が何を言っているのか分からない」――。RBCの人気アナウンサー、狩俣倫太郎さんの声が、電波から消えたのは2023年の秋でした。原因は、突然の脳梗塞による「失語症」。それから2年、狩俣さんがどのように病と向き合い、どう乗り越えてきたのか。その歩みをたどる、真栄里泰球記者の連載です。
　発症直後は、「話す・聞く・読む・書く」といった言葉の機能すべてに障害が表れる重度の状態でした。それでも「前向きにいこう」という意志と、「また伝えたい」というアナウンサーとしての執念でリハビリに励み、今年の春、ついに電波への復帰を果たしました。
　３月６日の放送で、約１年５カ月ぶりに狩俣さんの声が電波に乗った。親友以上の存在だという相方のくだかまりさんに「倫太郎さんお帰りー」と明るく迎えられ、「ただいま」と第一声を発した。
　リスナーからは大きな反響があり、失語症の方から「勇気をもらった」との声もあったという。５月には生放送にも復帰した。
　一度失った「言葉」を、今度は同じ病と闘う人々のために使いたい――。「失語症は知られていないからこそ、話さなければ」と、講演活動などで新たな使命に燃える狩俣さん。その壮絶かつ希望に満ちた再生の記録です。ぜひお読みください。
【連載：失語症と歩む日々　狩俣倫太郎アナの再起】
（１）【発症】 「言葉が出ない」突然の脳梗塞と失語症
（２）【復職】 「ただいま」涙のラジオ復帰と新たな使命
（３）【再生】 知られていない失語症「だから話さないと」
沖縄は宝くじ県？ 年末ジャンボに夢を託して
　新しい年には、大きな夢を見たいもの。宝くじ売り場にできる行列は、もはや師走の風物詩ですね。 記事によると、実は沖縄は47都道府県で「最も宝くじ人気が高い県」なのだそうです。
　今年も県内では1千万円以上の当せんが14本以上と好調ですが、年末ジャンボの「1等・前後賞」に関しては、2020年の「道の駅許田（10億円）」以来、沈黙が続いています。
　「そろそろ大当たりが来るのでは」――。現場の期待が高まる中、新里健記者が注目の売り場を徹底取材。県内で実際に4億円が当たった人の反応や、高額当せん者たちの縁起担ぎのエピソードは、必読です。

　普段はRCサクセションの「宝くじは買わない」を口ずさみながら売り場をスルーしがちな私ですが、これを読んで「今年こそは」と財布の紐が緩みそうです。
あすはNAHAマラソン 交通規制にご注意を
　あす日曜日は、師走の沖縄の風物詩「NAHAマラソン」が開催されます。 エントリー数は前回から2410人増え、2万6378人。沿道の応援も熱が入りそうです。
　当日はコースとなる本島南部広域で交通規制が行われます。規制時間の前後は周辺道路も含めて混雑が予想されますので、お出かけの際は、こちらの詳細マップを事前にご確認ください。

　気になる天気や気温は、気象予報士・崎濱綾子さんのコラムをチェックしてくださいね。 　今週の「デジ編チョイス」は、吉元晋作が担当しました。来週も良い1週間になりますように！