来る人の心もおなかも満たしたい-。新進の写真家がベテラン料理講師とコラボしたミニ写真展が11月29日、沖縄県宜野湾市嘉数であった。
展示の機会を求めていた因幡(いなば)鼓子(ここ)さん(30)と、自宅を料理教室だけでなく交流の場にしたいと望む安富美奈子さん(58)が意気投合して初挑戦。訪れた人は東南アジアの喧噪(けんそう)や国内の絶景を活写した作品に囲まれ、栄養とボリュームがたっぷりのお手製ランチに舌鼓を打った。(デジタル編集部・新里健)
 因幡さんは東京でアパレルやホテル業界に勤めた。コロナ禍を経て生き方を変えたいと2023年、自然豊かな沖縄と実家のある福岡の2拠点生活を始めた。好きな写真で身を立てる準備をしながら、自炊を楽しみたいと安富さんの料理教室に通い始めた。
 3月から半年間、7カ国を巡った。自身初の写真展を開いたカンボジアでは車やバイク、歩行者が交差点を四方八方から行き交うカオス感に圧倒され、香港ではレトロな街並みに魅せられた。夢中で撮り歩いた。
 自宅で20年前から料理教室「frypan club」を主宰し、約100人に教える安富さんは帰国報告を受け、好機を逃さず今やりたいことに全力投球する因幡さんに共感。互いの得意分野を表現したいと、念願の「おうちカフェ」と写真展の同時開催を提案した。
 当日は因幡さんの写真約40点を展示。チキンのトマト煮込みや、豆腐とチョレギのサラダなどを盛った安富さんのプレートランチ(980円)のほか、料理教室の受講生が作った愛らしいクマ形のマフィン(250円)を販売した。
開始直後から盛況で、沖縄市の稲嶺清美さん(65)は「写真を見て海外旅行に行った気分になれた。おいしいご飯を食べていろんな人と話せて癒やされた」と喜んだ。
 国内外で個展を終え、語学留学や2度目の海外撮影の旅を計画中の因幡さんは「料理教室は第二の実家のようで元気をもらえる。『日常にある幸せ』を撮り、見る人の心が温まる写真展を各地で開きたい」と意欲。安富さんは「手芸や茶道など料理教室の受講生が持つ特技を生かして、ワークショップも食事も楽しめる催しができれば」と語った。
 因幡さんのインスタグラムはhttps://www.instagram.com/coco_7520?igsh=MXdhaXA5dGE2dzlheQ==
 安富さんの料理教室「frypan club」のインスタグラムはhttps://www.instagram.com/frypanclub?igsh=MTNzNmptdndrOGJxOQ==
 
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