「理解はできないけれど愛している」と妹は姉を抱きしめる。
 見るもの聞くもの全てに、意見という名の文句を言わなければ気の済まない姉のパンジー。
夫も息子も慣れっこだが、時にその暴言は彼らの心を痛めつける。
 後から後から繰り出される不平不満に、見ているこちらも苦しくなる。その行動が彼女から人を遠ざけ孤立させているのが分かるから。
 きっと本人が一番苦しかろうに、自分で止めることはできない。明るくポジティブな妹に「あなたは母に愛されたから」と言葉を投げつけながら妹に抱きしめてもらう。この妹がいなかったらパンジーはどうなってしまうのだろう。
 ラストに流れる夫の涙のその先を想像して「彼らが幸せになる方法」を勝手に模索している。
 (スターシアターズ・榮慶子)
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