米会計年度で、2023年、24年の重大事故発生率が、15年から8年間の平均を3~8割も上回った。
具体的には、10万飛行時間当たりで、海兵隊は8年間の平均8・58に対し、23年16・17、24年11・70。空軍はさらに高く、8年間の平均50・58に対し、23年94・29、24年83・19だった。
米軍による本格的な運用から18年になるが、改めて「欠陥機」であることを証明する内容だ。
23年11月に鹿児島県屋久島沖で海兵隊オスプレイが墜落し、8人が死亡した事故を受け、世界中のオスプレイが3カ月以上、運用を停止した。
分母となる飛行時間が海兵隊で4割、空軍で7割減少したことから、事故率が上昇したと分析している。
しかし、海兵隊と空軍のオスプレイは過去10年間、他の固定翼機、回転翼機の年間事故率を常に上回っている。この2年が突出しているとはいえ、おしなべて事故率は高い。
10年以降の事故で計35人が死亡。そのうち22年以降の墜落4件で、計20人が犠牲になっている。
背景に安全より運用を優先する軍の論理があるとすれば、看過できない。
乗員だけではなく、飛行ルートの下での暮らしを余儀なくされている人たちの命を危険にさらすようなものだ。運用の在り方を見直さなければならない。
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報告書では、重大事故の要因を「物的欠陥」と「人的ミス」、またはその複合と分析している。
ギアボックスやエンジン部品の故障のほか、訓練不足、評価の甘さ、整備体制の不備なども頻繁に起きていることが分かった。
米軍が把握するオスプレイに関するリスク79件のうち、34件は未解決や、経過観察中で「十分に対応していない」と指摘している。
その中で、重大または中程度のリスクでも、半数以上が解決に6~14年かかったことが明らかになった。
危険性を予見しながら解決を先送りにしたことで、事故につながったケースもあるのではないか。
米議会からの要請で報告書を作成したGAOは、国防総省に「未解決リスクを確実に処理する監督体制の確立」などを勧告した。
安全を最優先に考え、勧告に従う必要がある。
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海兵隊オスプレイは12年の普天間飛行場への配備以降、現在20機が常駐。全国各地で飛行訓練を繰り返し、民間空港への緊急着陸も多発するようになった。
陸上自衛隊は佐賀駐屯地(佐賀市)にオスプレイ17機を配備している。夜間飛行訓練のために九州各地の11施設を新たに使用するなど本格的な展開が始まる。
訓練範囲が広がれば、事故の危険性も増す。
日本政府にも大きな責任がある。次から次とリスクが出てくる構造的な問題を根本的に解決できなければ、日本の空にオスプレイを飛ばせるべきではない。

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