久しく、ジャッキー・チェンはアクション場面の当事者ではなく、指導する側に回っていたような気がする。でも、やはりそれでは本人もファンも物足りなかったのだろう。

 今回は最新デジタルを駆使して捜査する警察組織を、アナログで指導するという立場で登場し、彼の活躍場面が存分に楽しめる。
 主役はどんな過酷な状況に陥っても死なないし、重傷を負ったであろうと思われる事故の後でも飄々(ひょうひょう)と闘う。ジャッキーじゃなかったら「あり得ない!」と白けてしまう場面でも、「ジャッキーだからね」と納得してしまう私の思考。とっさに繰り出される小芝居も「むりー!」を通り越して「やるな!」と、ほくそ笑んでしまうからジャッキー恐るべし。
 おまけに、双子の悪役を演じる俳優が往年の金城武にしか見えなくて眼福。
 (スターシアターズ・榮慶子)
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