信頼できる人に財産管理を託す「家族信託」のさまざまな機能や活用法を学ぶ相続専門家特別セミナーが3日、那覇市の県立美術館・博物館講座室であり、弁護士や税理士など約40人が受講した。
 セミナーは全国の税理士、司法書士や相続関連企業で組織する一般社団法人「全国幸せ相続計画ネットワーク」(亀島淳一代表理事)が主催。
講師は「財産を自由にする究極のツール~未来信託活用のススメ」の著書がある司法書士の河合保弘さんで、家族信託の多くの機能を生かした「未来信託」の考え方を提唱している。
 河合さんは、2007年の改正信託法の施行に伴い信託業免許を持たない個人が信託契約を行えるようになり家族信託が注目されるようになった背景や経緯を紹介。家族信託は、主に財産所有者が認知症になった場合に活用される「認知症対策」(代行機能)だけではなく、複数の財産を集約して管理できる他、数代先まで承継する人を決めることができるなど幅広く活用できることを解説した。
 河合さんは「沖縄はトートーメー問題や軍用地を持つ地主もおり、家族間で財産の争い事にならないよう未来信託を活用すべきだ」と勧めた。
(編集局付・上間正敦)
 
(写図説明)家族信託の活用法を紹介する司法書士の河合保弘さん=3日、那覇市の県立博物館・美術館講座室
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