糸満市発注の公園遊具整備事業を巡り、特定の遊具製品が採用されるよう便宜供与を図る見返りと知りながら資材販売会社から家電製品を受け取ったとして収賄罪に問われた同市職員の被告(43)=同市、贈賄罪に問われた資材販売会社元代表の被告(53)=那覇市=の初公判が24日、那覇地裁(小畑和彦裁判長)であった。両被告とも起訴内容を認めた。
検察側は同市職員の被告に懲役1年6月、元代表の被告に懲役10月を求刑、弁護側は両被告の執行猶予付き判決を求め、即日結審した。判決は来年2月25日。

(資料写真)那覇地方裁判所

 検察の冒頭陳述などによると、同市職員の被告は2016年ごろ元代表の被告と知り合い、現金計約260万円の他、エアコンや冷蔵庫の提供、飲食接待を受けた。同市職員の被告は、元代表の被告の会社「邦栄商事」が販売する遊具製品が採用されるよう設計業者や同僚に働きかけたが、結果的に別の製品が使用されることになったという。
 被告人質問で同市職員の被告は、妻や子どもたちとの別居で二重に生活費がかかり困っていることを元代表の被告に打ち明け、金品を受け取るようになったと説明。「最初は罪悪感を感じたが薄まっていった」と述べた。人事研修や先輩の指導で業者からの物品受領は違法と教えられていたが「自分自身をコントロールできなかった」と語った。
 元代表の被告は、同市職員の被告から金品供与の要求があったとし「私は請負業で断れば不利な立場になると思った。安易だった」と述べた。
 論告で検察側は「利欲的な動機にくむべき事情は一切ない」と批判。弁護側は真摯(しんし)な反省態度が見られるとして刑の猶予を求めた。
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