2025年もあと少し。惜しまれながらも、沖縄で今年、のれんを下ろした老舗の食堂やレストラン、売店の一部をまとめました。
ああ、また食べたい、懐かしい“あの味”。年の瀬に、写真で在りし日々を振り返ります。
 沖縄の味を長年提供し、地域に愛された「でいご」(那覇市小禄、8月に閉店)。店は1981年、「地元の人に沖縄料理を提供したい」との思いで開店。人気メニューの一つ「煮付け」は創業当初から変わらず、「豆腐がおいしい」と親しまれました。(記事:地域に愛された煮付けの名店 44年の歴史に幕 沖縄・那覇市小禄【動画あり】)
人気メニューの一つ、煮つけ。皿の半分を占めるほど大きな豆腐に加え、大根や三枚肉、かまぼこなどが所狭しと盛り付けられていた

 沖縄食堂ならではのメニューを24時間で提供した「いちぎん食堂」(那覇市久茂地、1月に閉店)。スーパーマーケットを経て1990年代ごろに開店。平打ち麵を特徴とする店主の出身地の名護そばをはじめ、ステーキやA・B・Cランチなど100種類以上のメニューが24時間楽しめ、多くの客に親しまれました。(記事:沖縄メニュー満載の「いちぎん食堂」突然の閉店 SNSで発信した閉店理由とは)

いちぎん食堂
平打ち麺が特徴だった看板メニューの名護そば

 会員制レストラン「シーメンズクラブ那覇」(那覇市住吉町、1月に閉店)。1949年の開店以来、船舶関係の米兵や県内の政治・経済関係者らに親しまれました。(記事:那覇軍港内の会員制レストラン、1月31日に閉店へ コロナ禍と円安で来客減)

シーメンズクラブ那覇
米兵や県内の有力者の利用でにぎわったシーメンズクラブ。
当初は那覇市奥武山にあった(1970年4月)

 米施政権下から家族3世代で味を受け継いできた「ひんぷん山羊料理店2号店」(名護市城、9月に閉店)。昔ながらのこってりとしたヤギ汁、だしのうまみが効いたヤギそば、厚切りのヤギ刺しと、栄養満点の「パワーフード」を提供し続けました。惜しむ客らに店主の宮里サクラさんは「次の場所を探すことができればすぐにでも再開したい。それまで少しお休み」と感謝を伝えていたそうです。(記事:「またいつか…」沖縄・名護の老舗ヤギ料理店が9/30閉店 3世代65年、味を守り続けた店の歴史)

「ひんぷん山羊料理店2号店」=22日、名護市城
山羊汁(左手前)と山羊さしみ(右奥)

 世代を超えて常連客が通った「お食事処ガロ」(那覇市首里大名、7月閉店)。惜しまれながら39年の営業に幕を下ろしました。看板メニューは「チキンとポテトの重ね焼き」。生卵がのったナポリタンを鉄板ごと提供するスタイルは、喫茶店時代から変わらず愛されました。(記事:「実家と同じ味」閉店惜しむ客であふれる 那覇市の食堂が39年の歴史に幕)

人気メニューの「チキンとポテトの重ね焼き」
39年間夫婦で営業を続けた饒平名一さん(左)と順子さん=7月29日、那覇市首里大名町・お食事処ガロ

  オリオンホテル那覇にあった「中国料理 四川飯店」(那覇市安里、3月に閉店)。本格的な中国料理を沖縄に広めようと、東京赤坂の名店「四川飯店」の監修で開店。1975年のホテル西武オリオン開業時から約50年にわたり、会食や祝い事などで県民に親しまれました。(記事を読む)

「中国料理 四川飯店」外観(提供)

 約50年間にわたり生徒に愛されてきた普天間高校の売店(宜野湾市普天間、3月に閉店)。
オムライス270円、野菜炒めとしょうが焼き、卵焼きが入った「ミックス」300円、おにぎりとコロッケの「おにコロ」180円と生徒目線の低価格を守り続けました。営業最終日には、卒業生らがイベントを開き、閉店を惜しみました。(記事:「パワースポットでした」惜しむ卒業生、店主の笑顔と低価格で50年)

「いつもありがとうございました」とお礼を言う生徒に「こちらこそありがとうね。勉強も部活も頑張ってね」と声をかけ、注文を受けていた弁当を手渡す宮城直子さん(右)=3月、宜野湾市・普天間高校

 水平線の続く太平洋の絶景を臨む「アジアン・ハーブレストラン カフェくるくま」(南城市知念、10月に閉店)。タイカレーを中心に本格的でボリュームのあるアジアンハーブ料理が楽しめ、地元客だけでなく、観光客にも人気がありました。(記事を読む)

アジアン・ハーブレストラン カフェくるくま

 天ぷら専門レストラン「天久テラス」(那覇市天久、4月に閉店)。オーナーの中村守氏は島らっきょうの天ぷらを県内に広めた“天ぷら伝道師”として創作天ぷらを数多く考案。2004年の創業以来、歓送迎会や結婚式の会場として利用されました。(記事を読む)

天久テラス
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もう食べられない“あの味” 写真でたどる、2025年にのれんを下ろした沖縄の老舗店
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いちぎん食堂">
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米兵や県内の有力者の利用でにぎわったシーメンズクラブ。当初は那覇市奥武山にあった(1970年4月)">
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「ひんぷん山羊料理店2号店」=22日、名護市城">
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山羊汁(左手前)と山羊さしみ(右奥)">
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人気メニューの「チキンとポテトの重ね焼き」">
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39年間夫婦で営業を続けた饒平名一さん(左)と順子さん=7月29日、那覇市首里大名町・お食事処ガロ">
もう食べられない“あの味” 写真でたどる、2025年にのれんを下ろした沖縄の老舗店
「中国料理 四川飯店」外観(提供)">
もう食べられない“あの味” 写真でたどる、2025年にのれんを下ろした沖縄の老舗店
「いつもありがとうございました」とお礼を言う生徒に「こちらこそありがとうね。勉強も部活も頑張ってね」と声をかけ、注文を受けていた弁当を手渡す宮城直子さん(右)=3月、宜野湾市・普天間高校">
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