沖縄県うるま市在住の安富祖定子さん(69)はこのほど、今年6月に急逝した弟と撮った写真などをまとめた自分史「いつも一緒だよ~末弟・仲尾次光雄より“皆、61年ありがとう”」を出版した。「光雄が生きた証しを残したい」と写真や文章を選んだ。
(自分史コーディネーター・安里努)
 光雄さんは11歳から重症心身障害施設・沖縄療育園(浦添市)で暮らしていた。定子さんは8歳年下の光雄さんに絶えず背中を押されてきたと話す。臆病になって敬遠していた運転免許を取ったのも光雄さんがドライブ好きだったため。40歳で県の女性タクシードライバー養成事業に応募してプロドライバーになった。
 今年6月20日、定子さんが前日に続いて面会に行くと光雄さんの容体が急変していた。救急搬送された病院で2日後に肺炎で世を去った。61歳だった。
 「光雄にこうしておけば良かった。なぜああしなかったのか」。たくさんの場面が後悔とともに思い出される中、写真や文章をまとめることにした。
 自分史はA4判60ページ。選んだ写真90枚余の中には、コロナ禍で外出がままならなくなった光雄さんに見せたいと定子さんが撮影した風景や花々もある。
定子さんの新聞投稿、光雄さんが46歳で高等部に入学した県立鏡が丘特別支援学校浦添分校の記念誌に寄せた文章も掲載した。
 半年たった今も喪失感は消えない。しかし「光雄のたくさんの笑顔を一冊にまとめられた」との思いもある。本をきっかけに、光雄さんの思い出を語り合う機会ができればいいと考えている。
 「沖縄タイムス自分史」サービスを活用して制作した。沖縄タイムス社を通じて無償頒布する。申し込み・問い合わせはhttps://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLScIeUh0P3eyRnS_kIJ7j8GS7zMc86_to4thBfWlkn22wX-0VA/viewformから。
61歳で急逝した弟 姉が抱いた後悔と喪失感「光雄が生きた証し...の画像はこちら >>
61歳で急逝した弟 姉が抱いた後悔と喪失感「光雄が生きた証し残したい」 たくさんの笑顔と文章まとめた自分史出版
「最高の笑顔」を表紙にした自分史「いつも一緒だよ」
編集部おすすめ