年の瀬も押し迫った30日、沖縄県内各地の市場やスーパーでは、大みそかや正月の食材を買い求める客でにぎわった。那覇市の第一牧志公設市場では、ソーキや中身、かまぼこを買う多くの人たちであふれた。

 創業70年以上の「照光精肉店」には、朝から中身や三枚肉などを求める人で長蛇の列ができた。店員の照屋なつさんは「並んでまでも買ってくれて、ありがたい」と感謝した。
 「山城こんぶ屋」はスンシー(タケノコ)やクーブ(昆布)、干し大根などを普段の約10倍ほど準備した。3代目店主で、公設市場組合長の粟国智光さんは「いつもは観光客が多いけど、この時期は地元の人が多い。各店舗とも子どもたちも手伝いに来て活気があり、正月が近付くのを感じる」と声を弾ませた。
 浦添市の西田勝子さんは半世紀近く、年末の買い物を公設市場で済ませる。家族12人で正月を迎えるため、この日は中身3キロのほか、三枚肉やターンム(田芋)などを購入。「家族みんなにおいしいものを食べてもらいたい」と話した。
 イナムルチの材料などを品定めしていた那覇市の堀川千代さんは「ここに来ないと年を越せない」と笑い、「静かで穏やかな正月を迎えたい」と願った。(社会部・滝口信之)
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