ただし、国の基盤を揺るがしかねない変更を前のめりに進めることは認められない。月内に召集される通常国会での徹底した議論が必要だ。
高市早苗首相が年頭の記者会見を開いた。
強調したのは「改革」と「チャレンジ」だ。積極財政でこれまで以上の経済成長を促し、税収の増加でさらなる投資を可能とする好循環を実現するとした。
来年度予算案については、AIや半導体産業などへの10兆円以上の公的支援により、50兆円を超える官民投資を促すとした。宇宙関連技術にも1兆円規模の投資を行うという。
予算案は一般会計の歳出で過去最大の122・3兆円となる。防衛費も右肩上がりの状況で、責任ある財政と言えるのか。国債費が積み上がる中では「放漫」のそしりも免れない。
育児や介護が原因の離職を減らすためベビーシッターや家事支援サービスの利用促進に向けた負担軽減に取り組むほか、標準的な出産費用の自己負担の無償化も挙げた。
低・中所得層の税負担を低減する「給付付き税額控除」を巡っては、今月中に野党を含めた「国民会議」の立ち上げに言及した。
所得格差の是正に効果的な制度だ。持続可能な社会保障への改革に向け、着実な制度設計が求められる。
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自民党と日本維新の会との連立合意後、無所属議員が加わったことで衆院では与党が過半数を占める。
一方、参院では少数与党のままだ。政策実現には野党の協力が欠かせない。
連立合意では、安全保障関連3文書の改定前倒しが盛り込まれた。
「救難、輸送、警戒、監視、掃海」という非戦闘目的の5類型に限り輸出を認める「防衛装備移転三原則」のルール緩和や「非核三原則」の見直しなどが焦点となっている。
これまでは連立を組んでいた公明党が慎重姿勢を取っていた。それが維新に代わり一気呵成(かせい)に進む可能性がある。改定について高市首相は、すでに政府内で議論が始まっていることを明かした。
ただ、いずれも平和国家の在り方を左右する「原則」であり、政府・与党だけで決めるようなものではない。国民に開かれた場所で幅広く議論すべきだ。
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会見では米国のベネズエラ攻撃への見解も問われたが、首相は「民主主義の回復と情勢の安定化に向けた外交努力を進める」と述べ是非を示さなかった。
米国は反米左派のマドゥロ大統領を拘束。トランプ大統領はその後、政権移行まで米国がベネズエラを「運営」すると表明した。その上、デンマーク自治領のグリーンランドを「絶対必要だ」として領土獲得の圧力をかけたのである。
国際法を無視した「あしき前例」となりかねない。高市首相は米国の暴挙に毅然(きぜん)とした態度を示すべきだった。

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