見えにくいとされてきた子ども貧困の「発見」から今年でちょうど10年となる。
県民所得の低さや母子世帯割合の高さなどが影響して深刻だと言われ続けてきたが、全国の2倍近い貧困率に県民は衝撃を受けた。
一方で問題の可視化は、社会全体で危機感を共有する契機となった。沖縄の子どもの貧困対策は、ここから大きく動き出す。
「県子どもの貧困対策計画」は、この年の4月にスタート。ライフステージに即した切れ目のない支援と貧困の世代間連鎖を断ち切る施策を柱とした。
6月には100を超える団体が参加し、官民連携で子どもの貧困解消を目指す県民会議が発足。30年までに子どもの貧困率を10%へ減らす目標を掲げた。
この間、学用品代を補助する就学援助制度の周知、経済的理由で進路選択の幅が狭まらないよう県外大学進学を支援する給付型奨学金、高校生への通学費支援などが進んだ。
内閣府の緊急対策事業も始まり、子どもの居場所づくりや支援員配置を後押しした。
官民の取り組みもあって、県内には昨年9月時点で無料や低額で食事を提供する子ども食堂などの居場所が、36市町村に373カ所ある。充足率では全国トップだ。
活動の広がりと定着は、10年の大きな成果といえる。
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2024年度の「沖縄こども調査」で、小中学生の子どもがいる困窮世帯の割合は21・8%だった。10年前と比べると8・1ポイント減少している。
ただ改善速度には物足りなさを感じる。コロナ禍や物価高騰による経済環境の変化があったとはいえ、5世帯に1世帯が困窮というのはやはり深刻だ。
気になっているのは、子どもの貧困対策に取り組む「あすのば」の調査で、県内困窮子育て世帯の34%が、困った時に頼れる人が「いない」と答えていたことだ。「相談したくても、できるだけ役所に行きたくない」という声も少なくなかった。
行政の支援が届かず孤立しているのも問題だが、過去に相談や手続きで嫌な思いをした経験が、支援に影を落としているとしたら、見過ごしにできない。
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支援の網の目からこぼれ落ちる子どもをなくすにはどうしたらいいのか。
自己責任論が広がる社会では、支援を受けることへの抵抗感が強い。支援を受ける側の自尊心を傷つけない対応や支援する側の意識の在り方が問われている。
県は「つながり、皆で育む」を子どもの貧困対策の使命としてきた。
10年で前進した部分もあるが、足りないものも見えてきた。
これまでの施策の効果を含め、取り組みをつぶさに検証する必要がある。

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