小泉進次郎防衛相が就任後初めて沖縄本島を訪れ、玉城デニー知事や基地関係首長らと会談した。危険性が指摘されている名護市のヘリコプター離着陸帯(ヘリパッド)閉鎖へ前進した部分もあるが、県が要請した有機フッ素化合物(PFAS)対策で導入した活性炭の更新費補助は「困難」と否定的な考えを伝えた。

 全体として負担軽減の道筋は見えにくい。
 小泉氏は知事との会談に先立って、渡具知武豊名護市長と面談。沖縄工業高等専門学校に近いキャンプ・シュワブのヘリパッドを閉鎖する方向で米側と調整を進めていると伝えた。ただ、具体的なスケジュールは示されなかった。
 オスプレイなどが離着陸するヘリパッド「フェニックス」は、高専から約300メートルの近距離に位置する。校舎や陸上競技場の上空を通過することから、同校は、「万一のことがあれば大変なことになる」と敷地上空の飛行を中止するよう国に要請していた。
 周辺には小学校や中学校もあり、そこからも騒音被害が寄せられている。兵士のつり下げ訓練や深夜の飛行もたびたび確認されている。
 名護市長選を前に「負担軽減を政争の具に使っている」(野党市議)の声もあるが、ヘリパッド閉鎖は長年にわたる地元の願いであり、着実に、早期に実現するべきだ。
 よもや代替施設を条件とすることはないだろう。
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 県内には約90カ所の米軍ヘリパッドがある。東村高江や宜野座村城原区などのように、近隣住民の生活環境に著しい悪影響を与えているヘリパッドが存在する。
こうしたヘリパッドについても国は閉鎖を米軍に働きかけるべきである。
 普天間飛行場を抱える佐喜真淳宜野湾市長は、返還合意から30年になることを強調した上で、返還時期の明示を求めた。小泉氏から具体的な回答はなかった。
 普天間では昨年11月、嘉手納基地の即応訓練で、戦闘機などが昼夜に相次いで飛来。宜野湾市役所には「子どもが怖がって眠れない」などの苦情が4日間で307件も寄せられた。
 政府は「一日も早い普天間の返還」という言葉を繰り返し辺野古新基地の推進を強調するが、軟弱地盤の影響で工事は長期化し、受忍限度を超える基地被害が、かくも長く続いている。
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 玉城知事は会談で小泉氏に、16項目の要望書を手渡した。基地負担の固定化につながる辺野古新基地建設の断念を訴えると同時に、PFAS汚染源調査の基地立ち入りや汚染除去のための活性炭の費用の補助などを求めた。
 普天間の返還などを盛り込んだ日米特別行動委員会(SACO)最終報告から30年。基地の返還は一部にとどまる。多くが県内への移設条件付きだからだ。
 「目に見える負担軽減に全力で取り組む」と語った小泉氏だが、県民の声に耳を傾け、実感できる基地負担軽減のために汗をかいてもらいたい。
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