歴史的な政界再編につながる可能性のある中道勢力の結集だ。
 立憲民主党と公明党が新党結成で合意した。
右傾化する高市政権への対抗軸を示そうというもので、これにより次期衆院選の構図は大きく変わる。
 立民の野田佳彦代表、公明の斉藤鉄夫代表の会談で合意した内容は大きく次の通りだ。
 ・当面、両党は存続させ、衆院議員が離党して新党に参加する。
 ・公明は小選挙区から撤退、小選挙区は立民出身候補を支援する。
 ・公明出身候補は比例代表名簿で上位に優遇する。
 つい最近までライバル関係にあった両党の急接近は驚きの展開だが、背景には、それぞれの切迫した危機感がある。
 公明は昨年10月、四半世紀続いた自民との連立を解消した。派閥裏金事件など「政治とカネ」問題への自民の不十分な対応に三くだり半を突き付けた形だ。
 維新との連立で保守色を強めた高市政権の安全保障政策などへも強い不満を示していた。
 そしてここへきて高市早苗首相の「大義なき衆院解散」。新党結成の引き金となった。 
 政権評価や批判で立民、公明両党の考えは一致するところが多い。
加えて党勢は伸び悩み、衆院選での苦戦が想定されていることも合意を急がせた。
 与党に対抗するには、中道の改革勢力を結集しなければならないという声の高まりは、ある意味必然だったとも言える。
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 「中道」を掲げる両党の政策には、もともと親和性がある。
 共に訴えてきた選択的夫婦別姓導入や自民党裏金事件を受けた政治改革、現実的な安全保障政策などを主要政策とするという。
 一方、綱領の策定や基本政策の詰めはこれから。安保法制を巡る立場や原発政策の整合性をどのように図っていくか、最初の試金石となる。
 斉藤代表は「異なる意見を聞き、合意形成を図る政策手法が中道主義」だと語った。
 野田代表は「中道の勢力を政治のど真ん中に位置付けられるチャンス」と話す。
 「野合」批判をはね返すには、新党として旗印となる政策の選択肢を示さなければならない。
 中道改革の軸としての覚悟が問われている。 
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 長く与野党に分かれ対(たい)峙(じ)してきた両党が一つになることに、特に地方組織で戸惑いが見られる。
 歓迎の声がある一方、これまでの関係を重視し自公協力を維持する選挙区も出るかもしれない。

 県内の選挙態勢がどうなるか、現段階では見通せない。ただこの「地殻変動」が、沖縄4選挙区に影響を与えるのは必至だ。
 解散自体が急な上、新党結成も急だったため、両党の政策の擦り合わせも選挙準備も進んでいない。政策を浸透させる時間もなさ過ぎる。
 これをどう克服するかが大きな課題だ。
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