[県歯科医師会コラム・歯の長寿学](368)
 年齢を重ねると、「口の中がいつもカラカラする」「以前より唾液が出にくくなった」と感じる方が増えてきます。特に50代以降は加齢・薬の影響・ストレスなどが重なり、唾液量が徐々に減少します。
唾液はただの“水分”ではなく、口内環境を守る大切な働きを担っており、唾液が減るとさまざまなトラブルを引き起こします。
 まず、唾液の減少は虫歯や歯周病のリスクを高めます。唾液は口の中の汚れを洗い流し、細菌の増殖を抑える役割があります。その防御力が落ちることで、歯が溶けやすく、歯茎の炎症が起こりやすくなります。また、口が乾くことで舌の動きが鈍り、食事の味が感じにくくなる、食べ物がうまく飲み込めないなど不快感も生じます。さらに、口の粘膜が弱りウイルスや細菌に感染しやすくなる点も見逃せません。
 では、どのような対策が有効でしょうか。最も手軽で効果的なのは、しっかり噛(か)む習慣を付けることです。特に奥歯を使ってよく噛むと、唾液腺が刺激され、自然と唾液が増えます。普段の食事で「一口30回」を目標に10回から始めましょう。
 次に、舌の位置にも注目です。正しい舌の位置は上あごの前歯の付け根より少し後ろ。
この位置に舌があると口呼吸を防ぎ、乾燥しにくくなります。気付くと口が開いている人は、まず舌の位置を意識してみてください。
 さらにおすすめなのが、誰でも今すぐできる“ブクブクうがい”。「ブクブク」と音がはっきり出るくらい全力で行うのがポイントで、上下左右へ口の中の水を10回ずつ勢い良く動かすことで、頬の筋肉と唾液腺がダイレクトに刺激されます。外出先で水がない場合でも、空気だけで行う“エアーブクブク”なら手軽に実践できます。
 口の乾燥は放置すると大きなトラブルに発展しますが、毎日の小さな習慣で改善が期待できます。「最近口が乾くな」と感じる方は、今日からぜひ試してみてください。( 米須敦子・米須歯科医院=沖縄市)
“ブクブクうがい”おすすめ 唾液減少で虫歯・歯周病のリスクも...の画像はこちら >>
編集部おすすめ