再稼働したばかりの東京電力柏崎刈羽原発6号機(新潟県)がたった1日で停止する事態になった。
2011年3月の福島第1原発事故以来、東電では初めての再稼働だ。
柏崎刈羽原発6号機は21日午後7時2分、中央制御室の運転員がボタンを押して、原子炉から制御棒を引き抜き再稼働させた。同8時28分、核分裂反応が連鎖的に続く「臨界」に達した。
だが、再稼働から約5時間25分後の翌22日午前0時半ごろ、制御棒を引き抜く作業中に異常を知らせる警報が鳴ったという。
東電は同日夕、原因特定に時間がかかるとして原子炉の停止を発表した。現時点で営業運転再開の見通しは立っていない。
制御棒を巡っては再稼働の数日前の試験中、不適切な手順で引き抜こうとした際に鳴る警報が正常に作動しない不具合が発生した。設定ミスが原因で、このため当初の予定日から1日遅れて再稼働に至った。
柏崎刈羽原発6号機の運転は、定期検査入りした12年3月以来約13年10カ月ぶりだ。
再稼働に対する地元、新潟県民の賛否は拮抗(きっこう)している。
そうした折、再び停止となったのである。
原発の構造は極めて複雑だ。
相次ぐトラブルは、原発を再び動かすことがいかに難しいかを示している。
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原発再稼働に向け、原子力規制委員会は新規制基準を設けた。この基準の下、これまでに柏崎刈羽原発6号機を含め15基が再稼働している。
しかし、基準は安全性を確約するものとはなっていない。
柏崎刈羽原発はこれまでにも記録改ざんや変圧器火災など重大な問題をたびたび起こしてきた。21年にもテロ対策の不備で事実上の運転禁止命令を受けた経緯がある。
再稼働に向け規制委の審査中だった中部電力浜岡原発(静岡県)でも今月、耐震設計に関わるデータを不正に操作していたことが表面化し審査が停止された。
まして東電は福島第1原発の廃炉問題を抱えたままだ。廃炉費用などで巨額の赤字に陥っており、柏崎刈羽原発の再稼働は苦境にある経営改善が目的でもある。
原発を稼働させる適格性があるのか。
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安価な電力といわれる原発だが、コスト面でも疑問符が付く。
廃炉や賠償など福島の事故処理費用は23兆4千億円に上り、東電の負担はうち16兆円。税金や電気料金で賄われる。
政府は原発の発電量を増やす方針だが、目先の電気代だけで判断していいのか。つけを後回しにすることになる恐れがある。
エネルギー政策は国全体の将来も左右する。
来たる衆院選でも重要な争点として議論すべきだ。

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